■収納設備比較
収納設備は3車ともに充実する。デリカミニでは、助手席の前側にオープントレイとカップホルダー、その下にアッパーボックス、さらにその下側にはグローブボックスが装着される。
タントファンクロスはメーターをインパネの最上部に装着するため、ステアリングホイールの奥側にフタの付いたアッパーボックスを備える。
スペーシアギアは収納設備が特に充実する。助手席の前側には引き出し式を含めて収納設備が上下に3つ並ぶ。助手席の下側には、車外に持ち出せる大きなシートアンダーボックスも装着した。
■燃費性能比較
2WDのWLTCモード燃費は、ノーマルエンジンの場合、デリカミニが20.9km/L、スペーシアギアはマイルドハイブリッドを搭載して21.2km/L、タントファンクロスはD-CVTの採用もあって21.9km/Lに達する。
ターボはデリカミニが19.2km/L、スペーシアギアは19.8km/L、タントファンクロスは20.6km/Lだ。
■買い得グレード/価格の割安度/納期比較
3車ともにエンジンはノーマルタイプとターボ、駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを用意する。ノーマルエンジンの2WDで見ると、デリカミニGプレミアムの価格は198万5500円だ。
タントファンクロスのノーマルエンジン/2WDは172万1500円だが、スマートクルーズパック(5万5000円)、パノラマモニター対応カメラ(3万3000円)をオプション装着すると180万9500円になる。デリカミニGプレミアムは、これらの装備に加えて、デジタルルームミラーやエアコンの冷気を後部に送るリアサーキュレーターなども装着される。装備がさらに充実するから価格も上昇した。
スペーシアギアは、ハイブリッドXZが172万5900円だが、全方位モニター用カメラパッケージ(5万2800円)を装着すると177万8700円になる。価格は安いが、装備内容もデリカミニに比べて少ない。競争が激しいために、装備の違いも考慮すると、価格の割安度は互角だ。
なお、納期を販売店に尋ねると、デリカミニは2023年5月中旬から納車を開始するから、2023年3月中旬時点での納期は約6カ月だ。タントファンクロスとスペーシアギアは3カ月に収まる。
■結論! どの車種を選ぶか?
デリカミニは、GプレミアムとターボのTプレミアムについて、装備を大幅に充実させた。価格はGとTに比べて、2WDの場合で18万~19万円高いが、加わる装備も運転支援のマイパイロット、マルチアラウンドモニター、右側スライドドアの電動機能、アルミホイールなど多岐に渡る。
総額30万円以上の装備が加わるから、プレミアム系が割安だ。シートアレンジなども使いやすく、幅広いユーザーに適する。
タントファンクロスは、シートアレンジの操作が面倒だ。その代わり右側のドアはワイドに開き、ベビーカーを抱えて乗り込み、子供を後席のチャイルドシートに座らせる作業を車内で行える。
運転席を後方に寄せておけば、降車せずに運転席まで移動できて便利だ。つまりタントファンクロスは、子育て世代を中心に、ドライバーが左側から乗り降りする機会のあるユーザーに適する。
そしてスペーシアギアは、リアゲート開口下端部までの高さが低いから荷物の出し入れが容易で、収納設備も充実する。積んだり、収納したりする機能を重視するユーザーにピッタリだ。
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