シトロエン新型C3&VWシャラン試乗3連発 新型登場で爆売れ中!!

■C5 エアクロスSUV

(9月5日試乗/テキスト:小沢コージ/撮影:池之平昌信)

●難解気味な今のシトロエン流SUV

 かたやC3エアクロスよりふた回り大きいミディアムSUVがC5エアクロス。

 こっちはちと難解気味かもね。クチの上手いモテ系次男に対し、イマ風だけど少々小難しいこと言いそうな長男って感じ。

 なぜなら創立100年を迎えたメモリアルモデルであり、C3エアクロスと合わせてシトロエン初のSUVの筆頭モデルってことでプライドを多めに背負ってる気が。

 それが窺えるのはまず見た目。2014年発表の新しいシトロエン流キテレツキュートを生み出したC4カクタスのデザインを受け継ぐもののより複雑化。

プラットフォームをプジョー3008と共用するミディアムクラスSUV。テールゲートは電動式

 サイズは全長4500×全幅1850×全高1710mmと、高さ幅のわりに短めで扱いやすくていいけど、フロントマスクは二重構造。

 上の睨み目がヘッドライトかと思ったらポジションランプで本物は下。難解です。かたやC4カクタスで有名になったエアバンプというサイドのディテールも簡略化して付いてるけどわかりにくい。

 一方、インテリアはカクタス流の板チョコのようなデザインを踏襲したシートが秀逸。この世代からシトロエンはアドバンスコンフォートという新コンセプトを導入して、シート自体、今までにない低反発マット的素材を二層で装備。

ソフトで確実にサポートするシート。後席は独立した3座でスライドが可能

 座り心地は上々。足回りにもこれまた往年のファンしか知らないシトロエン独自のハイドロサスペンションを模した、プログレッシブ・ハイドローリック・クッションなるダンパーを装着。

 これがなんともいえない船のような乗り心地で、往年のシトロエンの走りを思い出します。

荷室スペースは通常時で580L、最大1630Lを確保

 ついでにパワートレーンは今のフランス車らしく2Lディーゼル+8ATでこれがパワフルかつネットリしていていい。

 まさに昔の難解さをほどよく併せ持つ今のシトロエン流SUV。乗り手は選びそうですが個性の塊は面白い!

楕円型ステアリングとデジタルメーターが特徴的なインパネ。カーナビは23万2000円のオプション

■C5エアクロスSUV SHINEブルーHdi 主要諸元
・全長×全幅×全高…4500×1850×1710mm
・ホイールベース…2730mm
・車両重量…1640kg
・エンジン…直4DOHCディーゼルターボ
・排気量…1997cc
・最高出力…177ps/3750rpm
・最大トルク…40.8kgm/2000rpm
・トランスミッション…8速AT
・サスペンション 前/後…ストラット/トーションビーム
・WLTCモード燃費…16.3km/L
・価格…424万円

■価格…424万円

■クリーンディーゼル搭載ミニバン VW シャラン TDI 試乗

(9月3日試乗/TEXT:鈴木直也/撮影:西尾タクト)

 ディーゼルゲート事件によって遅れたスケジュールを取り戻すかのように、日本市場におけるディーゼルモデルの投入が活発化しているVW。

 パサート、ティグアン、トゥーランに続いて、ついに本命ゴルフ、そしてシャランにもTDIモデルが登場。その試乗会が実施された。

日本でスマッシュヒットとなるか?

 このページではシャランTDIのインプレを報告するわけだが、ちょっとその前にシャランについておさらい。

 シャランは欧州ブランドで数少ないスライドドア付きの7人乗りミニバンである点に存在意義がある。

 現行モデルは2010年デビューだからちょっと「薹(とう)が立っている」のは否めないが、それでも国産ミニバンとはまったく毛色の違うキャラは唯一無二。

 国産に比べてインテリアは質実剛健でそっけないが、逆にしっかりした手応えのステアフィールや揺るぎない接地感のある足回りも、これまた国産にはない味わいだ。

 そんなシャランをこれまでは1.4Lダウンサイズターボ(150ps/25.5kgm)で走らせていたわけだが、そこに2Lクリーンディーゼル(177ps/38.8kgm)が搭載されたのだから、その効果はまさに歴然。

ゴルフ搭載の2Lディーゼルエンジンから27ps/4.1kgmスペックアップしたエンジンを搭載する

 1.9tの車重をものともせず軽快に加速するTDI仕様のドライバビリティは、やっぱりガソリンTSI仕様より格段に力強い。

 そういう意味では、シャラン本来の魅力を大いに高めるグレード追加といえる。

2列目シートと3列目シートを倒すと容量が2297Lに拡大する。フラットなラゲッジスペースになるのも魅力だ

 ただこのシャランTDIが国産ミニバンユーザーを振り向かせる魅力があるかというと、残念ながら疑問。

 500万円台の国産ミニバンといえばアル/ヴェルの上位機種で、このセグメントのユーザーは、押しの効くエクステリア、広く豪華な室内、豊富なアミューズメント装備などが関心事。

 質実剛健なシャランの“芸風”を好む人はかなり少数派だ。熟成されたいいクルマなんだけど、ニッチな存在といわざるを得ないですねぇ。

3列目シートにもカップホルダーが(しかも2個)ついている。豪華さはないが、使い勝手にもしっかり配慮されているぞ

■VW Sharan TDI 主要諸元
・全長×全幅×全高…4855×1910×1765mm
・ホイールベース…2920mm
・車両重量…1900kg
・エンジン…直4DOHCディーゼル+ターボ
・排気量…1968cc
・最高出力…177ps/3500-4000rpm
・最大トルク…38.8kgm/1750-3250rpm
・トランスミッション…6DCT
・WLTCモード燃費…14.0km/L

■価格…529万6000円

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