GRヤリスプロトタイプに緊急試乗!! “史上最も楽しいトヨタ車”誕生!?


「東京オートサロン2020」開幕日、2020年1月10日に正式発表されたヤリスGR-4改め「GRヤリス」。同時に販売受付が開始され、1月23日(木)時点ですでに約2000台の予約(うちRZ“High-performance・First Edition”は全体の約8割)が入っているとのこと(予約すると7月中に商談が開始し、生産された順に納車となる)。

 現在、特別仕様車 RZ“First Edition”と特別仕様車 RZ“High-performance・First Edition”を設定し、先行予約の受付を6月30日(火)までの約6ヶ月間、Web限定で開催中だ。価格はFirst Editioが396万円、High-performance・First Editionが456万円。

 さて、正式発表に先立つ12月、開発ベース車にグラベルを中心に試乗する機会を得て、レーシングドライバー、そして自動車評論家である国沢光宏氏とともに現地へ向かった。

 ヤリスWRC直系のこのヤリスGR。速い 楽しい 安いの三拍子揃った、ひょっとするとトヨタ史上最高に面白いクルマになるかも知れない。

■独自取材で判明したGRヤリスのトピックス
・3気筒1.6Lターボは約270psを発生
・カーボンとアルミを使った車重は1200kg以下、パワーウェイトレシオは5kg/psを下回る!
・4WDはノーマル、スポーツ、トラックの3モード
・3グレード展開で売れ筋は400万円を切り、モータースポーツベース車もある
・元町工場の少量専用ラインで生産

【画像ギャラリー】12月のプロトタイプ試乗の様子、そして正式発表された資料画像からトヨタ GRヤリスをチェック!!

※本稿は2019年12月のものに適宜修正したものです。
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部/撮影:池之平昌信
初出:『ベストカー』 2020年1月26日号


■国沢氏も脱帽! 驚きのレスポンス

 グラベル仕様の試乗車はヤリスGRの下回りに現行ヴィッツのボディを組み合わせたもの。

「このクルマのウワサを聞いてからというもの、競技車両として使えるのかずっと気になってました」という国沢氏(左)と、開発のとりまとめを行っている齋藤尚彦氏。モリゾウさんやマキネンさんに何度もダメ出しをくらいながら、改良を重ねてきたという

 気になるスペックだけれど、1600ccの3気筒ターボに、前後のアクティブトルクスプリット4WDを組み合わせていることだけ教えてくれた。

 最高出力やトルク、ボディサイズはオートサロンの時に公開されるかもしれない。後述するが私の経験値だと270馬力の350Nmくらいだろうか。当たらずとも遠からずだと思う。

 とにかく試乗といきましょう!

エンジンは直3、1.6LでブロックやヘッドはWRカーの下のクラス、R5規定にも対応。排気バルブの大型化で高レスポンスを獲得。ターボの性能が向上した現在、排気干渉のない3気筒はスポーツエンジンに適すという

 用意されたコースは本格グラベル! 当然のごとくラリータイヤです。乗り終わったら注文書出てくるかも? 素晴らし過ぎるぞ! 早くもヤル気スイッチがガツンと入る。とはいえ1ラップ目は少し抑え目に走ってみた。

 軽くブリッピングすると、3気筒とは思えないほどバランスがいい。振動感じないし、エンジン音だってスポーティ。4000回転くらいでクラッチミート!

 いいね! 予想していたよりずっとパワフルだ! 240馬力/300Nmくらい出ていたら御の字だと思っていたが、そんなレベルじゃありません!

前後のトルク配分は100→0まで可変するがNORMALは前60対後40、SPORTは前30対後70、TRACKは前後50対50が基本。50対50のTRACKモードを持つところがヤリスWRCの血統だ

 いつも履いているラリータイヤと、横Gから感じ取れる路面のグリップなどからすれば、33口径のリストリクターを付けているWRX STIより元気な雰囲気。

 車重軽いことを考慮しても、240馬力などというレベルじゃない。けっこう気合い入ったエンジンだと驚く!

 予想のはるかに上をいくクルマだったので、辛抱タマラズ踏んでみた! いやいや楽しいです!

こちらはヴィッツベースのグラベル仕様

■WRX STI&ランエボX以上に速い! しかもコントローラブル!

 WRX STIやランエボと比べ圧倒的に軽快だ。左足ブレーキで前輪荷重残したままコーナーに進入し、クリップ手前からアクセル開けブーストかける。

 で、クリップでブレーキ離しフルに立ち上がる、というラリー車の走り方をすると、もはや競技に出たくなるような走りを見せるのだった。こいつぁ素敵だ!

ごらんのようにすっきりとしたインパネ周りで10インチのモニターを装備し高級感もある。ベースは新型ヤリスゆえに安全性や先進装備もぬかりなし

 もちろんプロトタイプということもあり、カンペキじゃない。トルクバンドが狭いため、中回転域のパワーは少しばかり足りない感じ。

 開発担当の齋藤さんに聞いてみたら「乗っていただいたのは少し前のスペックで、市販車に近いエンジンだと中回転域のトルクも太くなっています」。

 考えてみたら開発途上のクルマであり、市販まで半年以上ある。どんどん進化していくことだろう。

バケットシートはしっかりとホールドし、強烈な横Gがかかっても運転しやすい

 また前後の駆動力配分も開発途上とのこと。前後ロックに近い状態を選んだら若干アンダーが出る。後輪の駆動力を増やしたモードだと、楽しいけど加速しないで横方向に流れてしまう。

 これまた聞いてみたら「そうなんです。状況はわかっているので改良していく予定です」。ちなみにトルクもハンドリングも競技で使うことを考えたリクエストであり、ロードカーとして使うなら現状だって何ら問題ありません。

 もう少し詳しく話を聞いてみたら、今回試乗したヴィッツベースの試作車と、市販モデルの試作車と比べてもずいぶん違うという。そりゃそうだ。エッセンスだけ味わうための試乗だと考えたら充分過ぎる手応えだと思う。

6速MTはアベンシスのものをベースに開発した専用のもの。大トルクに適応したレスポンスが自慢
モードは3つ。NORMAL、SPORT、TRACKでTRACKは強烈なトラクション性能を発揮する

 新型をベースにして作られた試作車を開発中、タナック(2019年のWRCチャンピオンです)のナビシートに座った人によれば「ハンパなかったですよ!」。久々の超大型新人になること間違いなし!

 新型車ベースの試作車もじっくりとチェックできた。驚いたのは、バンパーやボディパネルといったボディ剛性に関係のないパーツの厚み。

 バンパーの樹脂もボディも、指で押すだけで凹む! 競技車両のベース車両ということで割り切ったそうな。

 車重も教えてくれなかったが、おそらく1200kgは大きく超えていないと考えます。WRX STIやランエボより200kgくらい軽いかも?

リアシートの居住性はヘッドクリアランスがきつい印象だ

 気になる価格だけれど、どうやら3つくらいグレードがありそう。一番安いのは競技車両のベースモデルという位置づけとなり、エアコンもオプション。これ、350万円くらいを予想。

 そして必要な装備はすべて付いている量販グレードだと消費税込みで400万円を切る感じ。豪華装備の上級グレードになると(ダンパーはビルシュタインになると思います)450万円といったイメージか。すでに買う気満々の私がいます~。

タイヤサイズは225/45ZR16でアルミホイールはBBS。ブレーキは4ポッド対向ピストン

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