■最新技術が投入された新たなロンドンタクシー
最新のロンドンタクシーとなるTXもボディサイズは全長4855×全幅2036×全高1880mmと、相変わらず大柄である。キャビンは運転席と客席がパーテーションで仕切られ、荷物は普通のクルマの助手席部分に積む点も不変だ。また乗客は前席背面に後ろ向きに座る3人+後席3人の6人と、今までの前席背面に2人で合計5人だった先代に対し1人増えた。
外から見ると違いが分からないTXだが、中身は前述したようにプラグインハイブリッドと最新だ。具体的にはエンジンはジーリーのアライアンスを生かしボルボの3気筒1.5Lガソリンを搭載し、エンジンは発電だけに使われるシリーズハイブリッドとなっており、この点は日産のe-POWERと同じだ。モーターは小回りに条件を満たす目的もありリアデフと一体となっており、駆動方式はプロペラシャフトのないFRだ。
バッテリー容量は、31kWhと先代リーフの後期モデルに加わった大容量版と同等で、EV走行距離は公表値で130kmとなり、30L入るガソリンと合わせると航続距離は約600kmを誇る。なおタクシーにはあまり関係ないが最高速は128km/hと発表されている。
またハイブリッドシステムはEVモード、バッテリー残量や速度域によってEV走行とHV走行を切り替えるスマートモード、市街地での走行などに備えバッテリー残量を温存するセーブモードがあり多彩だ。
さらにボディも骨格は溶接箇所のないアルミ製、外板パネルは樹脂製と最新技術を使った軽量化も行われている。またエンジンに加え、ハンドルや運転席のタッチパネルなどもボルボのものとなっている点も目を引く。
TXの日本での価格は1120万円と高価だが、東京都で営業ナンバーでの登録なら補助金364万円があるため実質756万円となる。高価なことは変わらないにせよ、その技術レベルの高さや主に結婚式などに使う個性派タクシーとしての導入、大きな整備を必要とするサイクルが4万kmと長いことやバッテリーの寿命が100万kmと一生ものということなどを考えれば、納得できるところと言えそうだ。
それだけに多くは売れないにせよ、TXは東京オリンピックまでに街で走っている姿を見たいのに加え、乗車できる幸運に恵まれたいタクシーである。
なお、LEVCでは今後TXを商用車としたプラグインハイブリッドのバンも市場投入への準備を進めており、こちらの日本導入も楽しみだ。
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