WRX STI/S4
■WRX STI/S4の○
2Lターボは実用域の駆動力が高く、高回転域の吹け上がりも活発だ。カーブでは適度に機敏に曲がり、下りカーブでアクセルペダルを戻すような操作を強いられても、後輪の接地性を損ないにくい。
S4の2.0GTアイサイトは、変更前に比べて後輪の接地性が少し緩いが(開発者によると乗り心地を向上したため)、安定性は充分だ。乗り心地も過度な硬さを抑え、後席の居住性も満足できる。
■WRX STI/S4の×
ただし、アイドリングストップは付けてほしい。またS4は安全装備が充実するが、STIはアイサイトバージョン3を付けられない。そろそろMT車にも対応すべきだ。
レガシィ アウトバック/B4
■レガシィ アウトバック/B4の○
アウトバックは国産SUVでは最も快適だ。17インチタイヤ装着車は乗り心地が優れ、前後席ともに頭上と足元の空間が広い。
シートの座り心地も上質に仕上げた。2.5Lエンジンの動力性能は平凡だが、実用回転域の駆動力が高く扱いやすい。最低地上高も200mmを確保した。これに比べてB4は特徴が乏しいが、長距離も快適だ。
■レガシィ アウトバック/B4の×
ただし、18インチタイヤを装着したアウトバックは、乗り心地が硬めに感じる。全長は4815mm、全幅はB4を含めて1840mmだから大柄だ。
走行安定性は優れているが、車両全体の動きは穏やかで従来型の機敏な印象は薄れた。
エクシーガ クロスオーバー7
■エクシーガ クロスオーバー7の○
ミニバンのエクシーガをベースにSUVへ発展させた。ワゴン風のボディはスバルのブランドイメージにも合致して、ミニバンの実用性とSUVの楽しさを兼ね備える。
アイサイトもバージョン2ながら備わる。機能や装備のわりに価格が安く、以前のエクシーガと比べても、実質的に9万円ほど割安だ。
■エクシーガ クロスオーバー7の×
ただしエクシーガの発売から約9年を経過したため、操舵に対する反応はXVなどに比べて緩く、後輪の接地性も下がる。
動力性能は実用面で不満はないが3500回転以下は物足りない。1、2列目シートは快適だが、3列目は窮屈で補助席に近い。
SUBARU BRZ
■SUBARU BRZの○
後輪駆動のミドルサイズクーペとあって、狭く曲がりくねった峠道でも楽しく走れる。カーブでは車両の向きが確実に変わり、危険回避時には後輪が踏ん張る。
運転を楽しめて安心感も高い。2Lエンジンは高回転域の吹き上がりが機敏で、改良により実用回転域の駆動力も高めた。
■SUBARU BRZの×
ただし雰囲気が暗い。ロードスターのようなオープンモデルはなく、ストイックに峠道やサーキットを攻める印象だ。
そこが特徴でもあるが、価値観が一面的でユーザーに向けた間口が狭い。アイサイト、リヤビークルディテクション、アイドリングストップはいっさい装着されない。
まもなくレヴォーグに進化版アイサイトのver.“3.5”搭載
カラーを認識できるステレオカメラを採用したアイサイトver.3が最初に搭載されたのは、2013年にデビューしたレヴォーグからだった。
以降、WRX S4、レガシィB4/アウトバック、先代インプレッサスポーツ/G4(年次改良時)、フォレスター(年次改良時)にも次々に水平展開されていった。
現在、最新のバージョンとなっている「アイサイトver.3」は、昨年秋にフルモデルチェンジされた現行型インプレッサスポーツ/G4、そして新型XVに搭載されるタイプだ。
それまでのレヴォーグ、WRX S4などが採用していたタイプよりも進化し、アダプティブドライビングビームを加えたほか、アクティブレーンキープ(車線中央維持機能)を直進時以外でも可能にし、追従クルコンの制御をブラッシュアップしている。
そして、注目なのはレヴォーグのマイチェン(D型への移行)で導入される“進化版”アイサイトver.3。
このマイチェンは、遠藤徹氏によると6月にもおこなわれる予定。進化版アイサイトには、全車速域でハンドルとアクセル、ブレーキを自動制御して運転をアシストする機能を新しく設定。
全車速追従機能とアクティブレーンキープ(65km/h以上での車線中央維持機能)に加え、低速域(0-65km/h)での車線維持を可能にする「TJA」(トラフィック・ジャム・アシスト)が盛り込まれる。
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