■手厚い内容を誇る自転車専用保険
真っ先に思い浮かべるのは、自転車の専用保険だろう。専用保険のメリットは、自転車事故による対人・対物賠償だけでなく、単独事故を含めた自身の怪我の補償も付帯できることにある。
さらに自転車に特化したサービスを用意するものもある。その一例として、事故や故障などで走行できなくなった際に、駆け付けてくれる「自転車ロードサービス」が挙げられる。
加入時の注意は、保証対象者の範囲、個人賠償責任の補償限度額、補償の適用範囲(※自転車事故に限るものもある)、加入者の補償などの契約内容をしっかりと確認したい。例えば、家族をカバーできるものでも、高齢者は年齢により適用から除外されることもある。また自転車保険に加入していても、適用されないケースとして、仕事中での自転車事故がある。この場合、対人や対物を補償する個人賠償責任保険の適用外となるからだ。
■日常のもしもに備える個人賠償責任保険
個人賠償責任保険は、自動車事故以外の日常生活での事故で、被害者への補償を行う保険のこと。一般的には、他の保険とセットで加入する。セットとなる保険の種類は色々あるが、ここでは自動車の任意保険を例に紹介したい。
各社の自動車保険には、生活に役に立つ保険を特約として用意しているケースがほとんど。そのなかに含まれる「個人賠償責任特約」を合わせて契約すればよい。また自転車運転時の怪我などを自身の補償には、「自転車傷害(自転車事故補償などともいう)」や「傷害特約」を加えれば良い。「傷害」のタイプなら、日常生活の怪我も補償される。
メリットは、自動車保険と一括して管理が行えること。そして、個人賠償責任保険を、自動車事故以外の日常生活での事故の補償にも使える点がある。また費用面では、補償内容を考えると、コストパフォーマンスにも優れるようだ。
クレジットカードについても、一部のものには、個人賠償責任保険が付帯される。またカード会社のサービスとして、手頃な価格で加入できる個人賠償責任保険や傷害保険などの用意しているケースもある。まずは所有するクレジットカードについて、一度調べてみるといいだろう。
■聞きなれないTSマークの付帯保険とは?
TSマークとは、自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもの。つまり、プロが規定の点検整備を行った証なのだが、これにも自転車保険が付帯するのだ。
青色マーク(第一種)と赤色マーク(第二種)の2種類があり、それぞれ賠償内容が異なる。この保険には、傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)の最大3つが含まれる。当然、赤色の方が、補償限度額は高い。
加入手続きを行うのは、自転車安全整備士が勤務する自転車安全整備店だが、1店舗で扱えるのは、青色か赤色のいずれかひとつとなるという。有料の自転車の点検整備を受けると、保険が付帯される仕組みだ。注意すべきは、保険が点検から1年間のみ有効と期限があること。更新には、再び点検を行う必要がある。また補償内容は、有償保険と比べると低めだ。
■自転車保険で注意すべきこと
このように様々な保険でカバーすることができる自転車損害保険だが、新規契約だけでなく、該当保険に契約中の人も、補償の対象や限度額などの内容をしっかりと確認したい。また家族のひとりが自転車保険などに加入済みなら、その保険で家族全員をカバーできるケースもある。そうすれば、無駄なコストを掛けずに済む。
しかし、何よりも忘れてはならないのは、事故を防ぐための自転車の点検整備と安全運転。その点をしっかりと心掛けたい。
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