人手不足や高齢化が進むなか、工場や観光地での「荷物運搬」と「移動」を同時にこなせる新しいモビリティが登場した。椿本チエインが開発した電動アシスト付き3輪自転車「LA SI QUE(らしく)」は、独自機構による安定した走行性能が特徴。まずは事業者向け限定販売となるが、小型モビリティ市場に新たな選択肢を提示する注目モデルだ。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
“荷物を運びながら移動する”をもっと快適に! 椿本チエインの新型3輪モビリティに注目
物流現場や観光施設、大規模工場などで課題となっているのが「人の移動」と「荷物の運搬」の効率化だ。そんな現場の悩みを解決する新たな小型モビリティとして、椿本チエインが電動アシスト付き3輪自転車「LA SI QUE(らしく)」を発表した。
2026年6月15日から事業者向けに数量限定で販売を開始する。
同社は1917年創業の機械メーカーであり、世界トップクラスのシェアを持つ産業用チェーンや自動車用タイミングチェーンシステムなどで知られる。その技術力を活かし、新規事業として取り組んできたのが電動アシスト3輪車の開発だ。
今回の商品化された「LA SI QUE」は、2023年に発表されたプロトタイプ「多目的e-Cargo」をベースに開発が進められてきたモデルである。
3輪の安定感と2輪の自然な操作性を両立
最大の特徴は、椿本チエイン独自の「後輪スイング機構」にある。
一般的な3輪自転車は安定性に優れる一方で、旋回時の違和感や操縦性に課題を感じるケースも少なくない。一方でLA SI QUEは、後輪部分が路面状況に合わせて追従する独自構造を採用。これにより、3輪ならではの安定感を維持しながら、2輪自転車に近い自然なハンドリングを実現したという。
段差や傾斜路面でも安定した走行が可能で、重量物を積載した状態での運用も想定されている。また、積載性能も大きな魅力だ。
低重心設計の荷台と高強度フレームにより、自転車法規制枠内で最大となる30kgの積載に対応。工場内での部品運搬や施設内配送、観光地でのレンタル・シェアリングサービスなど、さまざまな用途で活躍が期待される。
航続距離は強モードで60km、エコモードでは230kmと発表されており、日常的な業務利用であれば十分な性能を確保している。充電時間は約4時間で、バッテリー運用の負担も比較的小さい。
車体サイズは全長1730mm、全幅590mm。適応身長は140〜190cmと幅広く、多様な利用者を想定した設計となっている。
さらに、前かごやフェンダー、荷台などのオプションも用意されるほか、将来的には用途別の専用荷台バリエーションも企画開発中とのこと。配送や施設管理、観光事業など業種ごとのニーズに応じた展開が期待できそうだ。
価格は35万円から。オプションや導入台数によって変動する。
まずはBtoB向けの限定販売となるが、同社は将来的な一般ユーザー向け販売(BtoC)も計画している。近年は電動アシスト自転車や超小型モビリティ市場が拡大しており、「クルマほど大げさではないが、徒歩より効率的な移動手段」への注目が高まっている。
LA SI QUEはその中でも「運ぶ」と「移動する」を同時に実現する実用性重視のモデルとして、新たな市場を切り開く可能性を秘めている。
なお、2026年6月10日から11日にかけて東京・新宿で開催された「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2026」では実車展示と試乗も実施された。実際の乗り味や安定性を体感した来場者からの反応も、今後の展開を占うポイントとなりそうだ。


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