レビン/トレノ GTO GT-R 歴代最強!!! 国産暴れん坊グルマ列伝

■1980年代’s Best 日産 スカイライン2000RSターボ(1983年)

●次点 スズキ アルトワークス(1987年)

 6代目のR30型スカイラインに加えられたRSシリーズは、パワーウォーズの引き金を引いた1980年代の傑作だ。今も語り継がれているのが、1981年10月に登場した2000RSである。

日産 スカイライン2000RSターボ…直4、2LターボのFJ20ETエンジンを搭載したR30型RSターボ。前期型は190psだったが、インタークーラーを装着した後期型は最終的に205psまでアップ。独特のフロントマスクは「鉄仮面」と呼ばれた

 新設計のFJ20E型4気筒DOHC4バルブエンジンは豪快なパワーフィールで、排ガス対策車とは思えないほど猛々しい。

 足はストラットとセミトレーリングアームを受け継ぐ。だが、減衰力を切り換えられるようにして自慢のフットワークに磨きをかけた。

 最初は14インチの70タイヤだったし、パワステもないので力でねじ伏せるようにしないと思うように走るのは難しい。

 1983年にRSターボを加え、その最終型はインタークーラーターボで武装している。走りは鮮烈だ。スポーツモデルに乗り慣れていないと、恐怖を感じるほど速い走りを見せた。

 7代目のR31スカイラインに乗ると、刺激の違いの大きさに驚かされる。

 同じ時期に衝撃を受けたのがシティターボだ。後期モデルはゼロヨンを15秒台で走る実力を秘めているが、かなりジャジャ馬だった。トルクステアが強くて曲がらないし、背も高いから横風にあおられ直進安定性も悪かったのだ。

 が、これ以上に強烈な印象を残したモンスターが、1987年に登場した初代アルトワークス。

スズキ アルトワークス…2代目アルトに設定されたワークスは軽ターボスポーツの元祖的存在。3気筒、4バルブDOHCターボは550ccで64psを発生。その後の馬力規制のきっかけとなったエンジンだった。FFと4WDがあった

 心臓は3気筒DOHC4バルブターボだ。わずか550ccとは思えないほどパンチがあり、1万回転までシュンと回った。

 軽商用車だから足回りはコストをかけていないが、シビれる走りを見せる。トレッドが狭いから頑張りすぎるとスリリングだが、走りはしたたかだった。

■1990年代’s Best…三菱 GTO(1990年)

●次点 トヨタ スープラ(1993年)

 280psの自主規制が敷かれた1990年代のスポーツモデルは最大トルクを増強させることに力を注いでいた。なかでも強烈な印象を残したのが三菱GTOだ。

三菱 GTO…1990年から2001年まで販売していたご長寿スポーツ。V6、3Lツインターボはデビュー当初から280psを発揮し、40kgmを超えるトルクで迫力の加速を見せた。改良を重ね、走りの質が大幅に向上した

 エンジンは3Lの6G72型V型6気筒DOHCで、リーダーはツインターボを装着する。最大トルクは国産最強の42.5kgm(後期型は43.5kgm)だった。

 低回転からトルクがドバッと湧き出し、1.6tの軽くもないボディを苦もなくリミッターの世界へといざなう。その加速は暴力的だ。

 オールホイールコントロールと呼ぶフルタイム4WDを採用しているから、安心してコーナーを楽しめる、なんて思っちゃいけない。

 最初の試乗会はサーキットだったが、あまりの速さに制御不能に陥り、多くのジャーナリストがコースの外に飛び出したのだ。

 三菱GTOは「直線番長」のジャジャ馬だったが、FRスポーツにも暴れ馬がいる。1993年に登場したA80型スープラだ。

トヨタ スープラ…直6、3LのNAとターボがあり、ターボの最大トルクは最終的に46.0kgmに達した。グレード名のRZ、SZ-R、SZは昨年復活した現行GRスープラにそのまま使われている

 こちらも3Lだが、直列6気筒DOHCで、RZはツインターボで武装する。速さより操る楽しさを重視した味つけだったが、初期モデルはハンドリングがピーキーだ。

 限界が探りにくく、これを超えると一気にリアが流れた。

 後期モデルになると懐が深くなったが、体育会系スポーツモデルであることに変わりはない。最後に軽自動車でスリリングだったのは、ワークスのエンジンをミドシップにレイアウトしたマツダAZ-1。初心者にはとても扱いにくい。

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