■高いほどイイは間違い 適切なクラス、車種で乗員も財布も幸せに
●ズバリ、N-BOXと1.3L級コンパクト狙い!?
4人乗車までで実用目的にレンタカーを使うなら、下表の料金表クラス、基本料金が24時間1万円までというのが多くの人の目安だろう。
ニッポンレンタカーの料金を例に、この範囲で料金とクルマのベストなバランスを考える。ちなみに料金はオリックスレンタカーでも、ほぼ同じだ。
「とにかく安く」という考えなら軽ハイトワゴンでもいい。
しかし軽自動車を借りるなら腰が抜けるほどの完成度を持ち、3人までなら荷物も充分積めて先行車追従型のアダプティブクルコン含むホンダセンシングが着くN-BOXのNAが僅かな差額で借りられる。
こちらのほうが賢い選択なのではないだろうか。
逆にターボでもないタントカスタムが、見た目だけで24時間で660円高いというのには、あまり魅力を感じない。
コンパクトカーはどうだろう? まずブーンやヴィッツの1Lが該当するリッターカーはN-BOXと同じ料金なら、広くて豪華なN-BOXのほうが満足度は高いと思う。
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これがフィット、デミオ、スイフトといった1.3Lのコンパクトカーになると、パワーの余裕などを理由に軽自動車との差額も納得できる。
その上の1.5L級のセダンはそう広いわけでもないのを考えると、乗りたい車種でもないかぎり選ぶ意味は薄い。
といったようなことを総合すると、普通にレンタカーを使うならN-BOXのような軽自動車か1.3Lクラスのコンパクトカーを選ぶのが費用と満足度のバランスが高いという結論になる。これは結局200万円程度の予算で実用車を買う際に、どれがいいかというのと同じような話だ。
またレンタカー会社によっては同じ料金クラスでの車種指定をリクエスト(確約ではない)という形で受け付けてくれることもあり、「フィットがいい」などの希望があれば予約の際にお願いしてみる価値はある。
■レンタカーの主なクラス別料金(ニッポンレンタカー、通常期の基本料金/24時間あたり)
・ワゴンRなど(6820円)
・N-BOX(7150円)
・タントカスタム(8250円)
・ヴィッツなど1Lクラス(7150円)
・スイフトなど、~1.5Lクラス(8250円)
・インプレッサなど1.6Lクラス(9900円)
・フィールダーなど1.6Lクラスのワゴン(1万1000円)
・ブーンシルク(女性限定・7150円)
・クロスビー(女性限定・8250円)
・アウディA1(1万1000円)
・VW ポロ(1万1000円)
■「保険の上乗せ」ってナニ?借りる際、返す際にやりたいアレやコレ
●無駄な出費は抑えたい。が、必要な出費もある
前項で借りるべき車種やクラスがわかったと思うが、お次は実際に借りてみよう。その段階の注意点を解説。
●予約するのが基本!
現在のような超閑散期ならいきなり営業所に行っても「空車がなかった」ということは、まずないだろう。
しかし営業所の規模などによっては「希望の料金クラスのクルマがなかった」ということは多々あり、それが夏休み期間のような繁忙期、ミニバンやトラック&バンといった商用車の類になると「どうにもならない」というケースも珍しくない。
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やはり予約して借りるのを基本に考えたい。早期の予約であれば、飛行機のような早割料金が適用されることもある。
逆に「借りられなかったらクルマでの移動を諦めればいい」という程度なら、余っているレンタカーを安い料金プランで借りられる可能性もゼロではないので、ギャンブル的にフラリと営業所に行ってみる価値はある。
●借り方、返し方
まず会員カードはインターネットでの予約の際か来店時かという違いはあるにせよ、レンタルするものが100万円単位のクルマなだけに、必要になると思ってほしい。
会員カードを作るには数百円程度のお金がかかるが、料金が会員料金になるためそれだけで元は取れ、2回目以降の手続きが簡単になるなどのメリットもある。なお支払いはクレジットカードが基本だ。
トラックを借りる際に注意したいのが自分の免許証だ。40歳以上の人ならマイクロバス以外のレンタカーを運転できないということはほとんどないと思う。しかし最新となる2017年3月12日以降に取得した普通運転免許だと運転できるのは10人乗り以下、最大積載量2トン未満、車両総重量3.5トン未満となる。
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そのため最新の普通免許を持つ若年層だと、10人乗りのハイエースグランドキャビンは大丈夫でも、俗に2トントラックと呼ばれるいすゞエルフのようなトラックは運転できないのだ。
運転免許は出発の際に確認されるが、双方が「ついウッカリ」ということもないとは言えないので、一度確認しておきたい。
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燃料は満タン貸しの満タン返しが基本だ。
給油する時間がない場合などには普通に満タンにするより割高な「1kmあたり〇円」の距離清算となるので、極力満タン給油して返却したい。
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●保険の上乗せ
レンタカーを借りる際に悩む人がいると思うのが、保険の上乗せである。どういうことかというとレンタカーは利用料金に基本的な保険は含まれている。
しかし事故で保険を使う際には自分のクルマの保険と同様に対物と車両の免責(それぞれ最大5万円という場合がほとんど)が必要になる。
加えてレンタカーはお金を稼ぐクルマなので、事故の際には営業補償として自走できる損傷なら2万円、自走できないほどの損傷だと5万円がかかる。
またレンタカー会社によっては対物保険の上限が3000万円あたりまでに限られることもある。
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対物の損害が3000万円以上ということは滅多にないが、事故の相手が不運にも競走馬の馬運車など、とんでもなく高価なものを運んでいた場合には、レンタカーの保険で賄い切れなかったぶんは自分持ちとなり、お先真っ暗となることもある。
といった金銭負担的不安をなくすために大手レンタカーを中心に、それぞれ1日単位で免責の免除(1000円程度)、営業補償の免除(400から500円)といった保険の上乗せが用意されている。
またニッポンレンタカーには対物保険無制限+車両トラブルの際のロードサービスなどが付く「安心コース」というのもある(600円)。
保険の上乗せは、やるとレンタカー代金全体のけっこうな比率となるだけに迷うだろうが、それでも上乗せ料金はは1日最大2000円程度。
なので、まず「レンタカー代を3人、4人で割り勘する」場合、もしくは「そのくらいは気にしない」というお金持ちは、フル装備するに越したことはない。
対物保険の上乗せもレンタカーの対物保険で賄い切れない事故に遭う可能性はゼロではないので、あるなら入っておくべきだ。
免責と営業補償の免除は考え方がわかれるところだ。免責と営業補償は最悪で合計15万円。
この15万円が痛くない、自分のクルマの保険の免責もこのくらいにしているという人なら「自分のクルマで事故しても同じだ」という考えで入らないという考えも成り立つ。
このあたりは個人の運転頻度やレンタカーを借りる頻度にも左右されるだろうから、よく考えてほしい。
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