走りの良いハイブリッド!? スバルのe-BOXERの評判がいい理由

加速感がとにかく気持ちいい

 XVハイブリッドの登場から約5年経過して登場したのが、今回紹介するe-BOXERで、5代目フォレスターのADVANCEというグレードに初めて設定された。

 基本的にはXVハイブリッドに搭載されていたシステムの進化バージョンということになるが、制御の緻密さは格段に違う。

e-BOXERのシステム図。動力伝達はエンジン→トルコン→クラッチ→モーター→CVT→クラッチという順になっている
e-BOXERのシステム図。動力伝達はエンジン→トルコン→クラッチ→モーター→CVT→クラッチという順になっている

 まず、このe-BOXERは、燃費重視ではなく、当然燃費をよくする効果はあるが、それ以上に走りの楽しさを追求したハイブリッドである点がほかのメーカーのハイブリッドシステムとはひと味違うところで、最大の魅力だろう。

 バッテリーの状態やクルマの負荷にもよるが発進から40km/hくらいまではモーターでのいわゆるEV走行が可能となっているのが旧タイプと違う。この速度域は街中で多用するので、その時に積極的にエンジンを止め、EV走行できるのは大きなメリットだ。

 そしてe-BOXERは、加速感が気持ちいい。スポーツモードにすると、30~40km/hの速度域で、エンジンが積極的にアシストしてくれるから、電気ターボのようなフィーリングでグイグイ加速してくれる。このフィーリングはハイブリッドカーらしくない気持ちよさだ。

 これは後述するが、オンロードだけでなく、オフロードでもこの気持ちよさを味わうことができる。

e-BOXERを初搭載したフォレスターADVANCEは重量級ボディを軽々と加速させる気持ちよさが最大の魅力
e-BOXERを初搭載したフォレスターADVANCEは重量級ボディを軽々と加速させる気持ちよさが最大の魅力

AWDとのマッチングもバッチリ

 それからスバルがスバルであるための重要事項、AWDとのマッチングのよさもすばらしいレベルの仕上げとなっている。

 スバルの理念としては積極的に4輪を使うというのがあるが、モーターアシストによるe-BOXERはまったく違和感がないどころか、駆動力の配分、そのタイミングなど見事に制御されている。

 フォレスターにはX-MODEというものが用意されている。どんな路面でも最大限のトラクションを得て、安心・安全に運転できるためのデバイスだが、e-BOXERはこのX-MODEとのマッチングもすばらしい。

 低回転から大きなトルクが立ち上がるモーターのトルク特性を生かすことにより、悪路での緻密なアクセルコントロールを可能とし、その結果、悪路での走破性を高めることに貢献している。

e-BOXERはX-MODEとのマッチングもいいので、モーターの起動トルクの立ち上がりを利用して悪路走破性の向上にひと役買っている(写真はX-BREAK)
e-BOXERはX-MODEとのマッチングもいいので、モーターの起動トルクの立ち上がりを利用して悪路走破性の向上にひと役買っている(写真はX-BREAK)

ノーマルとの燃費性能比較

 燃費性能は二の次、というスタンスに感じるe-BOXERだが、前述の運転を楽しむためのスポーツモードのほか、インテリジェントモードというものも備えている。

 このインテリジェントモードは、運転のしやすさと燃費の両立を狙ったモードで、積極的にエンジンを止め、EV走行することで燃費を稼ごうとしている。

 では、カタログ燃費はどのようになっているのか? ノーマルエンジン搭載のツーリングとe-BOXERのADVANCEで比べてみたい。

インテリジェントモードにすると40km/h以下では積極的にエンジンを止めるが、高速走行ではそれがないため、燃費面でのアドバンテージはない
インテリジェントモードにすると40km/h以下では積極的にエンジンを止めるが、高速走行ではそれがないため、燃費面でのアドバンテージはない

【WLTCモード燃費】※数値はツーリング、ADVANCEの順
■WLTCモード:13.2km/L、14.0km/L
■市街地モード:9.6km/L、11.2km/L
■郊外モード:14.6km/L、14.2km/L
■高速道路モード:16.4km/L、16.0km/L

 カタログ燃費を比べて、ハイブリッドとしては物足りなくなく感じるのももっとも。郊外モード、高速道路モードでは、ノーマルエンジンのほうが燃費がいいからだ。

 しかし、街中での使用がメインの人にとっては、燃費性能の向上が見込まれるのも事実。

 燃費面でそれほど大きな効果が発揮できていないのは、ツーリングに対してADVANCEは120kg重いのが影響しているのは間違いないところ。

フォレスターに続きe-BOXERが搭載されたのがXVで、旧型のXVハイブリッドからの買い替え組はその進化を実感して感激しているようだ
フォレスターに続きe-BOXERが搭載されたのがXVで、旧型のXVハイブリッドからの買い替え組はその進化を実感して感激しているようだ

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