■自社内に競合車多数 キープコンセプトか変革か? 新型の方向性は?
気になる後継モデルは、2021年の中盤あたりの投入が予想される。ただ従来コンセプトを引き継いだ世代交代するだけでは存在価値がない。
「新型ヤリス」が2020年5月から全国でトヨタ全系列店併売になっているので、こちらの1.5Lハイブリッドモデルと競合してしまうからだ。次期後継モデルはヤリスと同じTNGAのプラットフォームを採用するものの、若干サイズアップし上級シフトすることで、室内の狭さをカバーするレイアウトを採用する見込みだ。
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パワーユニットは、ヤリスと同じ新開発の1.5L直列3気筒ハイブリッドを搭載するが、ヤリスとのコンセプト分けを明確にするため、1.8Lクラスのプラスアルファの上級ユニットを追加する可能性もある。
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ネーミングは「アクア」を引き継がない可能性もある。ヴィッツがグローバルで使われている「ヤリス」に名称変更したように、アクアも北米を中心に「プリウスS」が使われている。こうなると「アクア」は廃止となり、プリウスシリーズに統合されることになるかも知れない。
また、クラスでいえばヤリスと同等であるから、ヤリス1.5Lと統合されるとの見方もある。こうなるとアクア自体がモデル廃止となる可能性も否定できない。
■現場が語るアクアの現状と新型の動向
●証言1:首都圏トヨタ店営業担当者
新型ヤリスが2020年5月から全トヨタ系列店の併売になってから、アクアの売れ行きが急速に落ちている。
ヤリスの1.5Lハイブリッドと競合し、こちらのほうが新開発エンジンで室内が広いので、ヤリスに代替えするユーザーが多くなり、アクアの存在価値がなくなっている。今回の一部改良で販売が回復しないとヤリスハイブリッドに統合されてしまう可能性もある。
●証言2:首都圏トヨペット店
次期型アクアは従来コンセプトを引き継ぎ、ひと回り大きくなって世代交代するのと廃止されるとの両説がある。
現時点であれば、新型ヤリスハイブリッドでカバーできているので必要ない存在であるのも確かだ。アクアは背が低くスタイリッシュな分、後席が狭い。ヤリスは背が高いので広く感じる。
アクアはひと回り大きくなると、上級のプリウスとの競合が発生する。今トヨタは国内での大幅な車種削減策を進めているので、その一環になる可能性もある。
●証言3:首都圏カローラ店営業担当者
ヤリスが扱えるようになってから、アクアの売れ行きが急減している。もともとアクアはヤリスの前身であるヴィッツをベースにハイブリッド専用モデルとして投入した。新型になっても売れ行きは回復しないで、ヤリスハイブリッドが売れなくなるだけだ。
●証言4:首都圏ネッツ店
新型ヤリスが、全トヨタ系列店の併売になったことでアクアの役目は終わったといえる。次期型では上級シフトさせ、より走りのポテンシャルアップを図るなど、大きなコンセプト変更をしない限りは人気復活は難しいと考える。
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