GT-R、デリカD:5… デビュー時とはまったく別物になった現行日本車4選


ホンダヴェゼル(2013年デビュー)

 ホンダのコンパクトSUV、ヴェゼルも大きく進化した。先代フィットをベースとするヴェゼルのデビューは2013年。都会的デザインのセンスもよくi-DCDという本格的ハイブリッドシステムなどが受けヒット。

 しかし、筆者的にはその乗り心地の硬さが問題だった。ハンドリングを追求した結果、サスペンションの硬さによるタッピング(叩くような突き上げと振動)が気になっていた。

コンパクトSUVのヴェゼルの初期モデルは、キビキビとしたハンドリングが魅力的ないっぽうで、乗り心地が硬すぎた

 その後、サスペンションをソフト目に振りかなり解消されたが、今度は背の高いSUVモデルゆえの重心高に起因するS字カーブなどでのロールの揺り戻しが気になっていた。

 2016年にはパフォーマンスダンパーをボディ制振に採用し、可変ステアリングギヤレシオ(RSグレードなど)、4WDのリアサスペンションには振幅感応型ダンパーの採用。

 2018年には制振材の追加し、ハイブリッドのi-DCDのチューニング。

 そして現行となる2019年モデルではボディ剛性アップとさらに進化したパフォーマンスダンパー、そしてアジャイルハンドリングアシストを採用し完成型といえるほどの進化を成し遂げた。

紆余曲折を経て2018年のマイチェンで進化したパフォーマンスダンパーを採用。ボディ剛性のアップと合わせてハンドリングが見違えるようによくなった

 ヴェゼルがモデル末期であり新型は新型フィットをベースにハイブリッドもe:HEVとなるだろう。ADASのホンダセンシング採用グレードも多く、これからは注目株だ。

 特に2018年以降のモデル。新型になった後の中古車市場でも高満足感のSUVモデルになるはずだ。

次期ヴェゼルは2021年の登場が確実視されている。2018年のマイチェン後の最終モデルの走りは魅力的で、新型登場後も大きな不満は出ないと思われる

日産GT-R(2007年デビュー)

 最後は日産GT-R。

 このクルマを開発したのは水野和敏氏。1980年代後半から、かつて日産のグループCプロジェクトをけん引してきた人物だ。

 同時代にグループC、F3000、SWCを走ってきた筆者としてはレーシングエンジニアの印象が強いが、自動車メーカーのエンジニアゆえもちろん一般車両の開発も専門職。

ミスターGT-Rこと水野和敏氏は現行GT-Rの生みの親で、車両開発だけでなく販売に関する全研が委任されていた。2013年3月末に日産を退社

 しかし、GT-Rに初めて試乗して感じたのは、「コレはレーシングカー」という印象だった。

 2007年、蒲郡にある全天候型のミニサーキット。ものすごい加速とオンロード型4WDのトラクション。限界を超えた時の挙動を何度も試していると、水野氏がスタッフにデータを保存しろという指令を出した。

 なんでもGT-Rでこんな荒っぽい運転をするドライバーは初めてだったらしく、解析したかったのだそうだ。

 その後、年改を重ねるごとに試乗会が菅生などのサーキットで開催され、ほとんどの試乗会に参加した。

 GT-Rはハンドリング性能がどんどん進化していた。ただボクにとってGT-Rはやはりレーシングカーだった。一般道を走れる素晴らしいレーシングカーだ。

水野氏の後任に抜擢されたのが田村宏志氏(写真右)。水野氏が手掛けたGT-Rをベースにまったく違うクルマに進化させている

 それが変化したのは水野氏が日産を去り、GT-R開発のトップが田村宏志氏になってから。

 レーシングカーらしいガサツなノイズは水野氏の時代にも封じられつつあったが、それよりも走りが主眼。

 しかし、田村氏になってからはノイズ、乗り心地、質感というスーパースポーツカーとしての価値観が大きく進化した。長距離を走っても疲れないし、デートカーとしてもゴキゲンなゴージャス感。

 元ニスモ社員だった友人が565(ゴルゴ)なる専門中古ショップを営んでいるが、中古車が高値で取引されるプレミアムモデルだ。

 開発主査が変わったことでここまで変化を遂げたモデルも他にはない。

開発責任者の変更によってこれだけ変化したクルマも珍しい。水野GT-R、田村GT-Rとも賛否あるのが特別な存在のGT-Rらしいところ

【画像ギャラリー】中身が激変したクルマの外観はどう変わった? デビュー時と現在の内外装を一気にチェック!!