最新のオモロガータ発表!! ワンオフフェラーリの愉悦とその裏にある戦略


 クルマ好きにとって永遠の憧れの存在はいろいろあるが、その中でもフェラーリは特別な存在として世界的に認知されている。半ば神格化されているとも言える。

 かつては少量生産スポーツカーメーカーだったフェラーリも2019年の出荷ベースの世界販売台数は、史上初の1万台超えとなる1万131台と販売規模を大きく拡大している。

 現在では少量生産メーカーとは言えないレベルになったフェラーリだが、カタログモデルのほか、スペシャルなモデルを積極的にリリース。

 その究極のスペシャルモデルと言えるのがワンオフモデルで、最新のワンオフモデルとしてオモロガータが発表された。

 フェラーリのワンオフモデルの愉悦とその裏にある戦略について西川淳氏が考察する。

文/西川淳、写真/FERRARI

【画像ギャラリー】手にできるのは世界中で唯一人 フェラーリ最新ワンオフモデルのオモロガータため息がでるような内外装


昔のフェラーリはほぼすべてがワンオフモデル

初期のフェラーリの市販車はレーシングカーがもとになっていたため、その仕様は多岐にわたり、ほぼすべてがワンオフモデルだった。写真は340MM

 その昔、マラネッロでクルマをオーダーするということは、12気筒エンジンのついたシャシーを購入し、好みのカロッツェリアが作ったボディカウルとインテリアを組み合わせる、ということだった。

 ある程度、スタイリングの決まったモデルであっても、顧客の要望や使用目的(例えばレースであれば主戦場となるサーキットでの適合性)に沿ったモディファイが施されるのが常で、要するにほぼ一台一台がワンオフモデルと言ってよかった。

 今のようにシリーズ生産のカタログモデルが本格的に登場するのは1960年代になってからのこと。

 とはいえ当然、特別な顧客からの特別なオーダーには、例えばピニンファリーナと組んで実現してきた。ワンオフモデルの生産は、だからマラネッロにとっては実は手慣れた、珍しくもなんともないビジネススキームであったのだ。

フェラーリとピニンファリーナの関係が始まったのが1952年にデビューした212インテルカブリオレ。212インテルはビニャーレもボディを担当

ワンオフモデルはひと声3億円からのスタート

プログラム化後に初登場したワンオフモデルがP540スーパーファストアペルタ。ベースとなったのは599GTBフィオラノ

 正式にワンオフモデルの生産がプログラム化されることとなったのが2009年のこと。要するにそれまでもワンオフはあったけれど、あくまでも“裏メニュー”だった。

 以来、1年に1台のペースでワンオフモデルを発表し続けているから、つまりは年間1台に限ってVIPカスタマーのわがままを聞く枠がある、ということになろう。

 プライスひと声3億円からのスタート、と言われるこのプログラム、オーダーできるのはマラネッロの中枢が認めたVIPカスタマーのみで、現在も数年待ち、仮にオーダーできたとしてもデザイン決めから完成まで最低でも2年を要するという。

ギターの神様として名高いエリック・クラプトン氏がオーダーしたワンオフモデルのSP12ECは、458イタリアをベースに512BBiのデザインをオマージュ

 今、もしあなたが幸運にもワンオフモデルの列に並ぶことができたとして、出来上がった跳ね馬を実際にドライブできるのは、少なくとも7、8年先、ということになる。

 もちろん、何をベースに、どんな形で、一体いくらになるのか、現時点ではわからない。

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