世界中で市販されているクルマの動力性能は目覚ましい進化を遂げている。特にスポーツカーの場合、ハイパワー化が顕著だが、それをフルに堪能するには、サーキットに持ち込んで走るしかない。ストリートユースでは過度の性能は無用の長物とも言える。
本企画では、絶対的なパワーはなくても街中を転がしたり、交差点をちょこっと曲がっただけでも楽しめるクルマについて見ていきたい。
ここで紹介するクルマは、誰もが法定速度内で走りを楽しめる貴重なクルマたちだ。
文/永田恵一、写真/HONDA、SUZUKI、MAZDA、FCA、平野学、池之平昌信、ベストカー編集部
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ホンダe
このクルマは速くて気持ちいい!!
RRレイアウトを採用したことにより4.2mという最小回転半径を実現。実際に街中で運転していても、全幅1750mmながら軽自動車以上に小回り性能に優れていて使い勝手も抜群にいい。
モーターがリアに搭載されているということで、フロントが軽いため、ノーズの入りがよく、普通の交差点を曲がるだけで、その気持ちよさがわかるのもいい。ステアリング操作に対してレスポンスのいいキビキビとした走りが魅力だ。
ホンダが初の量産EVを市販化するにあたり、究極のシティコミューターを目指したという言葉に偽りはない。
内装の雰囲気もいいし、デカいモニターも新しさにあふれている。ただしサイドカメラミラーシステムは後続車両との遠近感がつかみづらく、使い勝手はイマイチなのが残念。
ホンダeは標準で451万円、アドバンスで495万円とかなり高価。そしてデリバリー数も少ないため、楽しいクルマでしかも目立ちたいという人には打ってつけの1台だ。
ホンダS660
このクルマの最大の魅力はミドシップレイアウト採用による軽快な走りにある。ノーズの入りがよく、自在にコントロールできるのがいい。
ブレーキのガッシリしたフィーリングも気持ちのいい走りをサポートしてくれている。
64psの660ccターボエンジンは絶対的なスピードでいえば決して速くはないが、パワーがないぶん、アクセル全開にするケースも多く、これが流れの速い深夜早朝の幹線道路などでは街乗りでレースをやっているような感覚になるのも、S660を運転する時の醍醐味と言える。
クルマはパワーがあったほうが速くて気持ちいいが、パワーがなくても、どんな速度域でも楽しめるのがS660だ。この手のクルマは世界的に見ても貴重な存在だ。
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