最近、ナウル共和国という国の政府観光局公式ツイッターアカウントが面白いと評判だ。
今年(2021年)2月現在、そのフォロワー数は3万1000人に達しており、同国人口である約1万3000人をすら、はるかに超えていたりする。
日本での政府観光局ツイッターフォロワー数日本一となる7万人突破をめざしているのだとか(じつは本記事掲載時点(3月末)のフォロワー数は17万3000人。どうした、なにがあったナウル)。
いったいナウル共和国とはどんな国なのか? 道路事情なども含めて取材をしてみた!
※本稿は2021年2月のものです
文/ベストカー編集部 写真提供/ナウル共和国政府観光局の中の人
初出:『ベストカー』 2021年3月26日号
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■面積は品川区ほど それでも日本やアメリカより裕福な時代も!? 「世界最小の共和国」ナウル
道路事情などクルマ関係のお話の前に、まず地理的・歴史的な話からしよう。
ナウル共和国はハワイとオーストラリアとの間にある太平洋南西部、ニュージーランドの北東に位置しており、その面積は21キロ平方メートルと、東京・品川区ほどの規模となる世界最小の共和国だ。
ナウルの語源は「私はビーチに行く」を意味する文章を縮めたもので、公用語は英語とナウル語。
かつては豊富だったリン鉱石(肥料として貴重だった)の輸出が盛んで、1980年代には太平洋地域の国々のなかで最も生活水準が高い国だったという。
1980年代当時、ナウルのひとり当たりのGNP(国民総生産)は2万ドル以上だったと言われ、当時の日本(9900ドル)の約2倍、米国(1万3500ドル)の約1.5倍だった。
この頃のナウルは、水道や光熱費などの公共料金や税金、医療費、学費が無料という金持ち国家で、生活費まで支給されていたほか、当時の新婚世帯にはなんと一戸建てのマイホームまでプレゼントされていたのだとか。
■1990年代後半、リン鉱石資源の枯渇によってナウルは危機に
しかし、そんな景気のいい話も1960年代後半から1990年代後半まで。
ナウルはリン鉱石資源が枯渇した後、深刻な財政危機を迎えることに。その影響で内陸部のリン鉱石採掘跡が全島の80%を占めており、石灰柱が屹立している。
日本との関係は1971年に東京にナウル領事館が設立されたものの、1989年に財政上の理由から領事館は閉鎖された。
2019年度の両国の貿易額は、財務省貿易統計によるとナウルからの輸入が2億7000万円、ナウルへの輸出が2億8000万円となっている。
ナウルでは2004年以降の改革が功を奏し、現在は枯渇したリン鉱石の2次採掘が始まって収入が増加傾向にあるという。
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