最新のF1マシンにハイブリッド技術が搭載され、WRCでも2022年からラリーマシンにハイブリッドが搭載されるなどモータースポーツは世界的に環境性能を重視する方向でレギュレーションを変更しています。そんな中、フォーミュラEは化石燃料を使わない電気自動車のモータースポーツの最高峰として2014年にスタート。
当初はモーター搭載のワンメイクシャシーのフォーミュラカーでしたが、進化した第2世代の「GEN2」ではタイヤを覆うボディワークを採用。EVなので当然音は静かで、走行中に聞こえるのは駆動系から発せられる高周波音がほとんどです。その様子は、どこかラジコンカーを想起させるものです。
2020年8月に発売となった、タミヤの10分の1サイズRCカーの新作、TC-01シャーシの「フォーミュラE GEN2」。最大の特徴は、フォーミュラEのボディが搭載できる「TC-01シャーシ」。フロントのサスペンションアームを「魅せる」デザインや、サイドポンツーン前端を絞り込んだ造形などで、これで4WD車だというのだから驚き。
本キットが発売される際に、ベストカーWEBで紹介記事を書かせていただきましたが、今回はその続編。「実際に購入(もちろん自腹)、製作、走行させてみて気づいたこと」をお伝えしていこうと思います。
文:吉川賢一
写真:エムスリープロダクション、NISSAN
【画像ギャラリー】フォーミュラEの軽快な走りを再現したタミヤの新作RCカーに注目!!
■RCカー用ボディとは思えない奇跡のデザイン
タミヤ製のプラモデルのクオリティの高さは、誰もが知るところですが、それはRCカー用ボディも同様で、実車レースに出ていたツーリングカーやF1マシンの再現度の高さにはいつも驚かされます。ですが、今回の「フォーミュラE GEN2」ボディの造形は、そのクオリティをはるかに超え、RCカー用とは思えないほどの再現ぶり。
フォーミュラE GEN2のボディは、ポリカーボネート板からパーツを複数切り出し、それらを組み合わせてつくります。組立後、塗装をするわけですが、筆者は今回、日産のフォーミュラEチームのボディデザインを参考に、ホワイトとレッドで塗ってみました。塗装後、好きなステッカーで仕上げれば、自分だけのオリジナルボディが完成。走らせたくないほどにきれいなボディに仕上がりました。
飾っておくだけで満足感あるボディは、ホント久しぶり。ここまできれいに仕上がると、走らせずにいつまでも飾っておきたくなってしまう…。
TC-01シャーシは、前後のサスアームやアップライトを共通化し、パーツ点数を抑えて、シンプルで組み立てやすくなっています。「世界一分かりやすい」と評判の、タミヤの説明書通りに組み立てれば、2時間程度で完璧に組み上げることができます。
メカ好きの筆者としては、前後ダブルウィッシュボーンサス、インボードタイプのダンパー、そして前後のギアデフを支えるバルクヘッド一体型のバスタブシャーシなど、高剛性と低重心化を狙った最新のパッケージングは胸熱。また、ステアリングサーボや受信機、モーター、スピードコントローラーのレイアウトなど、「よくぞここまでぎりぎりを攻めたものだ」と、驚かされます。
ただ、メンテナンスはしにくいです。デフをメンテナンスするには、サスアームやプッシュロッドリンク、デフカバーについている、多くのビスをとる必要があり、結構大変。またモーターの取り外しも、半分ほど分解するくらいの覚悟が必要です。メンテナンスを楽しめるユーザーでないと、難しいかもしれないです。その点、筆者はメンテナンスマニアであり、めんどくさいことで有名なTA06のリアデフメンテですら、苦も無くこなせますので、TC-01程度、何の支障もありません(むしろ好き)。
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