■ホンダ広報に直撃
「今年でタイプRを生産していたイギリス工場が閉鎖されることが決まっているなかで、どうしても生産台数に上限があるというのは事実です。そのなかで最大限日本向けの台数を確保したつもりだったのですが、想定以上に注文をいただきまして……」
──具体的に何台日本向けに確保していたんですか。
「台数は言えないのですが、ただ年間販売計画として1500台というのがあります」
──1500台は確保していたということですか。
「明言はできませんが、まぁそんな感じでしょうか」
──でも、あっという間に完売しましたよね。
「これはちょっとやり方が悪かったのかなとも思っているんですが、一部の販売会社は見込み客に事前にマイチェン情報を知らせて先に枠を取っちゃうみたいなことも、実際ありまして。
というか、そういうのが想定以上で、そうではない新規のお客さまからすると、出た瞬間にほぼ終わってるという感じになってしまって……。申し訳ないです」
■販売店にも聞いてみた
イギリス工場閉鎖による生産台数上限と、反応よく限られた枠の確保に走ったディーラーの相乗効果というのが、タイプR早期完売の理由のようだ。とはいえディーラーもクルマを売るのが仕事。
そこは責められるものではないだろう。
最後に、販売店にもちょっと話を聞いてみた。
●ホンダカーズ都内某店「あとはキャンセル待ち」
「こういうクルマは欲しがる人が決まっているので、営業はみんな動向を気にしてて、かなり事前に動いてましたね」
──台数を押さえていたということですね。飛び込みのお客さんとかはいなかったんでしょうか。
「いらっしゃるんですけど、お客様も『無理だろうな』って感じで来られるので。とりあえず『時間、かなりかかりますよ』ということを伝えてお帰りいただく感じで……」
──それはキャンセル待ちの話ですか?
「そうです。厳しいですが可能性ゼロではないので。そう伝えさせていただくしかない感じですね」
──なるほど。
* * *
以上、販売店の事情をお伝えした。仮にもし今からマイチェン後シビックタイプRの新車を買おうとしたら、販売店の言うキャンセル待ちに期待をかけることになる。
可能性はゼロではないというが、さて、どうする?
【番外コラム】英国生まれのシビックタイプRたち
●2代目シビックタイプR
搭載エンジンは初代の1.6Lから215ps/20.6kgmを発生する2Lにアップ。組み合わされる6速MTは、シフトレバーがインパネ部にあった。歴代タイプRのなかではややマイナーか。
●シビックタイプRユーロ
ベースは8代目欧州仕様シビック。搭載するK20Zエンジンは201ps/19.7kgmの出力。同時期に販売されていた日本仕様シビックタイプRより控えめパワーだが実用域で扱いやすい。
●4代目シビックタイプR
ニュルブルクリンクFF最速を目標に開発されたモデル。タイプR史上初のターボエンジン車となった。日本では2015年10月に発表され、12月に750台の限定で発売された。
●レース入門者に。米ホンダシビックタイプRエンジン販売
ホンダの米国モータースポーツ部門、ホンダパフォーマンスデベロップメント(HPD)は、これまで米国でモータースポーツに参戦するチームなどに向けて販売していたシビックタイプR用エンジンを、一般向けにも販売することを決めた。
購入にはモータースポーツ参戦経験など、いくつか条件があるもよう。価格は日本円換算で約71万円から。
コメント
コメントの使い方