4月7日、米国ホンダが“サイドバイサイド”というジャンルに属する「パイオニア1000」と「タロン1000」のスペシャルエディションを2021年夏から発売すると発表。
日本でお馴染みのホンダが手掛ける、なんとも見慣れない四輪バギーだが、本稿では、ほとんどの日本人にはイメージのない「サイドバイサイド」というジャンル、そして2台のスペシャルエディションを紹介していきたい。
文/永田恵一 写真/HONDA
【画像ギャラリー】本稿未掲載含む全15枚!! ホンダ パイオニア1000とタロン1000をみる
より四輪に近いバギー「サイドバイサイド」
日本でもATV(オール・テレーン・ビークル)というジャンルを耳にしたことがある人はそれなりにいるだろう。
ATVは、簡単にいうとバイクのパワートレーンを使った三輪か四輪のバギー(現在は四輪がほとんどだ)で、米国規格協会では全幅50インチ(約1250mm)以下、車重600ポンド(約272kg)以下、跨座シートとバーハンドルを持つ車両と定義されている。乗員定員は1人乗り、タンデム(前後)の2人乗り、1人乗りと2人乗り+荷物と何種類かある。
バーハンドルにタンデムシートとバイクに近いATVに対し、バイクのパワートレーンを使った四輪バギーというのは変わらないが、丸いハンドルや横に並ぶシートを持つなどクルマに近いイメージなのがサイドバイサイドである。
サイドバイサイドを生産しているメーカーはホンダ、ヤマハ、カワサキ(日本では販売していないが)をはじめ、世界的に見れば数多い。
ホンダ製バギーの2台はどんなモデル?
この2台の最大の違いは、「パイオニア」は3人乗りの1列シートと3人乗りの前席と2人乗りの後席を持つ5人乗りという仕様があり、ユーティリティにも配慮しているのに対し、「タロン」は2人乗りの1列シートと2人乗りの前席と2人乗りの後席を持つ4人乗りという仕様で、スポーツ性を重視しているということである。
バリエーションを「パイオニア」から見ていくと、エンジンは3人乗り仕様が500cc、520cc、700cc、1000cc、5人乗り仕様が700ccと1000cc(すべてバイク由来)を搭載し、トランスミッションは700ccまでがAT、1000ccはDCTを組み合わせ、駆動方式は全車4WDとなる。
「タロン」のパワートレーンは2人乗り、4人乗りともに1000cc+DCTの4WDのみで、オフロードでのスポーツ走行の想定によるものなのか「パイオニア」に比べると立派なドアが付き、エクステリアもパイオニアよりシャープな印象だ。
価格は「パイオニア」が8499ドル(約97万7000円)~1万7299ドル(約187万8000円)。「タロン」は1万9999ドル(約217万1000円)~2万3999ドル(約260万5000円)と、「パイオニア」は実用品という側面もあるが、「タロン」は大人のオモチャ的な嗜好品の要素を強く感じる設定だ。
コメント
コメントの使い方