愛され続けて55年 日本車の象徴であり続けるカローラの軌跡と真の実力

まだまだ続くカローラの歴史 トヨタのカローラ愛は永遠不滅か?

豊田社長の初のマイカーもカローラだった! 愛され続けて55年、トヨタがカローラを溺愛する理由
スマートフォンと連動させて使用できる現行型カローラのディスプレイオーディオ。いつものアプリがそのまま使え、ハンズフリー通話にも対応可能に

 どうやら55年どころか60周年突破も確実なカローラだが、なぜトヨタはこのカローラを常に自社ラインナップの中心に置いているのだろうか? それはカローラというクルマの成り立ちに理由がありそうだ。初代カローラのコンセプトが「80点主義+α」であったことは冒頭で紹介しているが、この80点主義+αというのはトヨタのクルマ作りの根幹をなすもの。

 80点のクルマと聞くと、平均点は高くても面白みがないというイメージをもってしまいがちだが、すべてにおいて80点+αを達成するのはきわめて困難であり、それゆえにこのコンセプトを実現しているカローラの存在価値は高く、カローラ=トヨタという図式も成り立つ。つまりカローラは常に“今のトヨタ”を表している象徴といえるだろう。

 現トヨタ社長の豊田章男氏が、社会人になって最初に自分のお金で買ったクルマがカローラだったという。手の届きやすい価格で、なおかつ単なる大衆車にはない高級感とスポーティさも合わせ持つカローラは、初代の登場直後から多くのユーザーに受け入れられ、それは55年が経過した現在でも続いている。

 前述の理由から豊田社長のカローラに対する思い入れも深く、売り上げにおいてもトヨタに貢献してくれるカローラをトヨタが愛さない理由はない。

 カローラという車名は英語で「花の冠」を意味している。美しいスタイルのハイ・コンパクトカーであることを目指して名付けられた車名に違わず、いつの時代でも、カローラはユーザーに愛される花のような存在であり続けるだろう。そしてトヨタもまた、そんなカローラを愛で、ともに歴史を重ねていくのだ。

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