■事故った時、EDRをどう外すの? どこに持っていけばいいの?
事故を起こした、あるいは事故に巻き込まれた時、「EDR」の読み出しが可能な車両のユーザーは、どうしたら良いのだろう?
一対一の事故はもちろんのこと、不幸にして死亡事故になってしまった場合や解決困難な多重事故などのいずれであっても、通常の事故手続きを行ったうえで、弁護士などを通じて「CDRアナリストにEDRデータの読み出しをお願いして欲しい」と依頼することをお勧めする。
任意保険の「弁護士特約」に加入していれば、保険会社から弁護士費用として300万円まで支払い可能なので、これを利用すれば、裁判でも有効活用できる「EDR」の解析レポートも受け取ることができるからだ。
もちろん、「弁護士特約」に未加入でも「EDR」の読み出し、解析は可能だが、それなりの実費を伴うので、次の任意保険更新時には、「弁護士特約」を付保されることをお勧めする。
■EDR義務化でこの先何が変わる?
「EDR」が普及することで期待されているのは、科学的かつ客観的なデータ分析に基いた事故報告書の作成によって、事故の後処理を迅速かつ円滑に進められるようになるということだ。
さらに付け加えるならば、裁判事案になった場合でも、「EDR」から得られた客観的事実によって、自らの正義を正確かつ論理的に証明することができる点だろう。いずれにしても、こうした係争を早く解決できるようになれば、心理的、経済的負担を軽減できることは有難いはずだ。
自動車技術の進化は日に日に高度化し、加速している。望むと望まざる、好むと好まざるに関わらず、今後もこうした先進的な運転支援システムや各種安全システム、将来的には自動運転など、ますます複雑かつ緻密な制御を必要とする装備が搭載されることだろう。
それゆえに各自動車会社もあらゆる制御系を監視するシステム造りが当たり前になり、「EDR」データも10/1000秒単位で記録できるようになってきたし、さらに進化していくことだろう。 人を不幸にする自動車事故ほど忌まわしいものはないと誰もが思っている。
だからこそ今後の自動車事故の真相究明は、人の曖昧な記憶や自己都合を優先した証言に惑わされることなく、事故車両に記録された「EDR」の科学的かつ客観的なデータという動かしようのない事実によって、真相が解き明かされていくべきであるし、そういう時代を迎えたといっていいだろう。
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