与党税制調査会から、令和4年の税金の枠組みのたたき台となる令和4年度税制改正大綱が発表されました。それによるとクルマへの課税の見直しは2023年の4月30日まで先送りされ、炭素税の導入も見送られる模様です。
そこで、現在のクルマの税金がどれだけ複雑かつ不合理で時代遅れになっているかを検証し、自動車業界から見た「望ましいクルマの税金の姿」がどのようなものかまとめました。
文/柳川 洋、写真/Adobe Stock(トップ画像=yamashou@Adobe Stock)
■クルマの税金はこんなにややこしい
クルマにどんな税金がかかるのか、ちゃんとわかっている人は意外といない。「いえ、わかっています」、というあなたにクイズです。エコカー減税は2023年4月30日に終了しますが、そもそもエコカー減税はどの税金が減税されているか、すぐに言えますか?
答えは自動車重量税。
正直言って自動車関連の税金は想像以上に複雑だ。そこで改めて、まずクルマにかかる税金をおさらいしてみよう。
クルマにかかる税金はクルマを買う時にかかる税金と、保有しているとかかる税金の二つに分けられる。買う時にかかる税金は、消費税と、かつての自動車取得税である環境性能割の2つ。
保有しているとかかる税金は、毎年5月に納付書がやってくる季節の風物詩、自動車税(軽自動車税)と、車検ごとに払う自動車重量税。
またクルマそのものへの税金ではないが、給油するたびにガソリン車には揮発油税と石油税、ディーゼル車は軽油取引税と石油税が課税されていること、さらにそれらの税金を含んだ燃料価格に消費税が二重にかけられていることも忘れてはならない。
この税金のなかで、環境性能の良いエコカーだと安くなる税金は環境性能割、自動車重量税の2種類。
たとえばトヨタのアクアの大部分は、購入時の環境性能割と自動車重量税、初回車検時の自動車重量税がゼロ。アルファードのHVの大部分は買う時の環境性能割が非課税、自動車重量税が50%軽減されて1万8700円、初回車検時の自動車重量税が2万5000円となる。
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