BEVのSUVが補助金込みで399万円は激安!? ヒュンダイ改めヒョンデが12年ぶりに日本再上陸! 黒船となりえるか?

■IONIQ5のデザインはオジサン世代にも突き刺さる

1974年にジウジアーロがデザインしたポニークーペからインスピレーションを得てデザインされたという
1974年にジウジアーロがデザインしたポニークーペからインスピレーションを得てデザインされたという

 2022年ドイツ・カー・オブ・ザ・イヤーニューエネルギー部門を受賞したIONIQ5。競争の激しい欧州のEVカテゴリーでの受賞は立派だ。その受賞の理由の一つがユニークなデザイン。

 フロントライトとテールライトにあしらわれた「パラメトリックピクセル」に特徴的な、エクステリアに漂うサイバーパンク感が、なんとも恰好いい。万人受けを目指すのではなく、「このクルマじゃなきゃイヤだ」、と思ってくれる一部の人だけに突き刺さればいいという割り切りのあるデザインではないだろうか。

 IONIQ5を横から見ると、前傾したシルエット、逆Z字型のアクセントライン、極端に短いオーバーハングと3mにもなるホイールベースが目をひく。

 どことなくランチアデルタインテグラーレを思わせる部分もある。1974年にジウジアーロがデザインしたポニークーペからインスピレーションを得てデザインされたという。

 ボディサイズは全グレード共通で全長4635×全幅1890×全高1645mm。乗車定員は5名。

ボディサイズは全長4635×全幅1890×全高1645mmと2022年央に正式発表予定のトヨタBEV、bZ4Xの全長4690×全幅1860×全高1650mmに近い
ボディサイズは全長4635×全幅1890×全高1645mmと2022年央に正式発表予定のトヨタBEV、bZ4Xの全長4690×全幅1860×全高1650mmに近い

 細かい部分の作り込みも非常に丁寧で質感が高い。電動リアゲートの動き方なども極めて静かでスムース。外装色のマットカラーのメタリックというのも、日本車ではなかなかできないチョイス。やややりすぎかも、というディテールがあることも否定できない。

CHAdeMoでの急速充電と最大1.6kWの電源供給が可能、リアデザインはかなり特徴的
CHAdeMoでの急速充電と最大1.6kWの電源供給が可能、リアデザインはかなり特徴的
駐車時・走行時には格納され、乗降時に自動的にポップアップするオートフラッシュハンドルが採用されている、サイバーグレーメタリックの外装色の美しさにも注目
駐車時・走行時には格納され、乗降時に自動的にポップアップするオートフラッシュハンドルが採用されている、サイバーグレーメタリックの外装色の美しさにも注目

 ややマッチョなエクステリアと比べてインテリアは比較的フェミニンだが、リビングにいるようなくつろぎを目指したという。

 水平基調のダッシュボード、大型で見やすいディスプレイ、必要最小限の物理スイッチ、助手席・後部座席とのアクセスの容易さと多様なシートアレンジなど、イマドキのトレンドが散りばめられている。

ステアリング正面にはフル液晶の12.3インチLCDディスプレイが配置され、その横にはタッチパネル式の12.3インチナビを装備。右ハンドルでウインカーレバーは右側だ。エクステリアのマッチョさからするとやや拍子抜けする感じもあるフェミニンなインテリア、だが居心地は良さそうだ。
ステアリング正面にはフル液晶の12.3インチLCDディスプレイが配置され、その横にはタッチパネル式の12.3インチナビを装備。右ハンドルでウインカーレバーは右側だ。エクステリアのマッチョさからするとやや拍子抜けする感じもあるフェミニンなインテリア、だが居心地は良さそうだ。

 リアシートに腰掛けることは今回できなかったが、パーフォレイテッド加工がされた革シートやアームレストの質感は高く、また足元、頭上のスペースも十分あるように思われた。

植物性オイルの幅広い使用やリサイクル透明PETボトルから作られた繊維の採用など、地球に優しい素材が使われているIONIQ5のシート。電動スライド機構も備えていて快適そうだ
植物性オイルの幅広い使用やリサイクル透明PETボトルから作られた繊維の採用など、地球に優しい素材が使われているIONIQ5のシート。電動スライド機構も備えていて快適そうだ

 エントリーモデルのIONIQ5(2WD)のみバッテリー容量が58kWhで、1充電あたりのWLTCモード航続距離は498km。

 Voyage(2WD)とその高級バージョン、Lounge (2WD、AWD)の3グレードのバッテリー容量は72.6kWhとなっており、1充電あたりのWLTCモード航続距離はVoyage(2WD)とLounge(2WD)が618km、Lounge(4WD)が577km。

 エントリーモデルのINONIQ5の最高出力は125kW/170ps、最大トルクは350Nm/35.7kgm。Voyage(2WD)とLounge(2WD)の最高出力は160kW/217ps、最大トルクは350Nm/35.7kgmとなっている。最も高出力となるLounge(AWD)の最高出力は225kW/305ps、最大トルクは605Nm/61.7kgm。

 急速速充電システムはCHAdeMOに対応し、90kW級の充電器を使用して充電した場合、約32分で10%から80%まで充電が可能。バッテリーの保証については8年間もしくは16万kmで当初の性能の70%を保証している。

 気になる車両価格は、エントリーモデルのIONIQ5(2WD)が479万円、IONIQ5Voyage(2WD)が519万円、IONIQ5Lounge(2WD)が549万円、IONIQ5Loung(AWD)が589万円。

 2021年度のEVのCEV補助金は最大42万円だったが、2021年11月26日に閣議決定された令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」では(令和3年11月26日以降に新車新規登録の登録車または新車新規検査届出の軽自動車された車両が対象)は最大80万円まで拡大された。

 ポイントは給電機能がないと補助金の上限は60万円となるが、給電機能があると上限80万円になること。

 加算条件となる給電機能とは、車載コンセント(1500W/AC100V)から電力を取り出せる給電機能がある車両、外部給電器やV2H充放電設備を経由して電力を取り出せることができる車両、このいずれかに該当すると上限80万円の補助金が受けられる。

 この上限80万円の補助金はIONIQ5全車種が対象。この補助金を引くとどうなるか? エントリーモデルのIONIQ5(2WD)が479万円→399万円、IONIQ5Voyage(2WD)が519万円→439万円、IONIQ5Lounge(2WD)が549万円→469万円、IONIQ5Loung(AWD)が589万円→509万円となる。

 さらにエコカー減税(3万7500円)や自治体の補助金(東京都の場合は個人・45万円)を引いた場合、エントリーモデルのIONIQ5は350万円ほどで購入できる。これは相当魅力的に映る。

※編集部註:2月7日時点。補助金の申請受付は2022年度末(2022年3月末)までに受付開始予定。IONIQ5のオーダー受付が始まる2022年5月、デリバリーが開始される7月時点で変わる可能性があります。詳細はお問い合わせください。

次世代自動車振興センター令和3年度「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」について

※全国の自治体独自の補助金について

 ちなみに給電機能のあるアリアB6リミテッド/B6、リーフ、レクサスUX300eは上限80万円となるが、給電機能のないテスラモデル3/モデルS/モデルXやポルシェタイカン、BMW、プジョーなどの輸入車BEVは上限60万円となっている。

IONIQは4グレードのラインナップ。車両価格は、IONIQ5(2WD)が479万円、IONIQ5Voyage(2WD)が519万円、IONIQ5Lounge(2WD)が549万円、IONIQ5Loung(AWD)が589万円
IONIQは4グレードのラインナップ。車両価格は、IONIQ5(2WD)が479万円、IONIQ5Voyage(2WD)が519万円、IONIQ5Lounge(2WD)が549万円、IONIQ5Loung(AWD)が589万円
IONIQ5の諸元表
IONIQ5の諸元表

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