三菱のEV攻勢! 新型軽EVや販売が再開されるミニキャブミーブの動向は?

■バッテリー容量20kWhから見えること

 ちなみにほかのEVの総電力量は、リーフが40kWhと62kWh、ホンダeは35.5kWhだから、新しい軽EVの20kWhは小さな部類に属する。
 
 軽EVが1回の充電で走行できる距離は、WLTCモードで200km前後だろう。リーフの40kWh仕様の航続可能距離は322kmだから、20kWhで走る距離は161kmだが、軽自動車サイズのEVはボディも軽い。従って航続可能距離も200km前後まで延びる。

 ホンダeの総電力量は35.5kWhで、航続可能距離は259~283kmだ。20kWhで走行可能な距離は145~158kmだが、同様に軽EVの車両重量が軽いことを考えると、200kmが航続可能距離の基準になる。

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こちらは2019年の東京モーターショーに出展された日産の軽EVコンセプトカー「IMk」。電池容量的には航続距離160kmほどになりそうだが、軽量な分もっと走れるかもしれない

 そして日産では、補助金を差し引いたユーザーの実質購入価格が200万円以上としている。ただし補助金の交付額は、時期によって変化するので注意したい。実質購入価格が200万円以上とすれば、補助金の動向に応じて、価格も変わることになる。

 補助金を差し引いた実質購入価格が200万円以上なら、装備が充実した売れ筋、あるいは買い得グレードの価格は220万~230万円だ。デイズやeKクロスの売れ筋価格帯は、140万~170万円だから、軽EVは60万~80万円は高い。

 軽EVの価格をハイブリッド車に置き換えると、アクア、ノート、フィットe:HEVなど、コンパクトカーの売れ筋グレードと同程度だ。つまり軽EVの価格は、ノーマルエンジンを搭載する既存の軽自動車に比べると60万円以上も高いが、コンパクトカーのハイブリッドと比べれば吊り合う。

■購入価格200万円は「アリ」か

 リーフの買い得グレードとされるX・Vセレクションは406万3400円で、補助金概算額の約39万円を差し引くと約367万円だ。この価格は、インプレッサスポーツやマツダ3といったミドルサイズハッチバックの買い得グレードに比べると、約110万円の上乗せになる。比率に換算すると1.4倍だ。

 軽EVの買い得グレードの価格が補助金を差し引いて前述の230万円とすれば、同等の装備を備えたガソリンエンジン車の170万円に比べると60万円高い。比率に換算するとこれも1.4倍だ。

 つまりEVの価格は、軽自動車、ミドルサイズハッチバックともに、ノーマルエンジン車に比べて1.4倍の価格設定になる。

 軽EVの走行コストはどの程度だろうか。東京電力の従量電灯Bで計算すると、1kWhが約20円だ。そして軽EVが20kWhのリチウムイオン電池を満充電にして200kmを走るとすれば、1kWh当たりの走行距離は10kmになる。価格に換算すれば、20円で10kmを走るから、1km当たり2円だ。

 一方、デイズで売れ筋になるハイウェイスターXプロパイロットエディションの価格は166万6500円だ。WLTCモード燃費は21.2km/Lだから、レギュラーガソリン価格が160円/Lとすれば(現状の170円/Lは高すぎる)、1km当たりの燃料代は7.5円だ。軽EVが2円とすれば、1km当たり5.5円の差額になる。

 軽EVの実質価格が230万円、デイズハイウェイスターXプロパイロットエディションが166万6500円であれば、差額は約63万円だ。走行コストの差額で63万円の実質価格差を取り戻せるのは、11~12万kmを走った頃になる。

 軽自動車にとって、11万~12万kmの走行距離は長い。しかし仕事で街中を頻繁に走るユーザーなら、経済的なメリットが生じる余地もある。

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