首都高のバイク死亡事故が6倍になったのはナゼ? 現場も走って検証してみた

コーナーでの速度超過と急動作を避けたい

 ――以上の路線を筆者もたまに走るが、高所恐怖症のせいか、壁が低い高架道路の箇所をバイクで延々と走るのは少々緊張する。そして、事故が起きた地点を意識して走ると、なおさら身が引き締まった。

 ただ実際に走ってみて、免許を取得した人が制限速度内で走行すれば、そうそう事故は起きないのでは、とも感じた。もちろんバイクが原因ではなく、周囲の車両に巻き込まれた事故もあると思われる。

 とはいえ、オーバースピードで曲がりきれないほどのコーナーはある。また、合流と分岐が複雑なので、首都高に慣れていないライダーが慌てて急動作(急ブレーキ、急な車線変更など)を行い、事故を起こす可能性もあるはずだ。

 なお、僭越ながら初心者へのアドバイスをしてみると、バイクは視線を向けた方向に行きやすい。側壁が迫ってきたとしても行きたい方へ顔を向けるのが大事。そして旋回中はリヤブレーキで速度調整するとバランスが崩れにくい。

らせん状のループが続く大橋JCT。下り坂に加え、曲率はR40。写真でもかなり車体がバンクしているのがわかる。制限速度も大橋JCTでは40km/hに制限される
らせん状のループが続く大橋JCT。下り坂に加え、曲率はR40。写真でもかなり車体がバンクしているのがわかる。制限速度も大橋JCTでは40km/hに制限される

まだ大ゴトになってはいないが、125cc以下の進入もある!

 最後に、二輪の死傷事故が増加している件に関して、首都高速道路会社にコメントを聞いた。

 「車体に身体が守られていない二輪車の事故は四輪車の事故に比べ死傷事故となりやすい傾向にあります。速度規制に従い安全に走っていただきたいということが一番お伝えしたいことですが、周囲の事故に巻き込まれる可能性もあるので、けがをしない備えも重要と考えています。

 そのため、弊社HPや、PA、イベント、二輪用品店、運転免許試験場、教習所等で配布しておりますチラシにて、二輪車を運転する方への注意喚起として、プロテクターの装着をお勧めしております。

 また、現在のところ大きな事故は起きていませんが、自動車専用道路である首都高を走行できない125cc以下の原付の立入も散見され、速度差のある車両との接触による事故は死傷事故につながりかねない状況にあります。運転の際はナビの設定、規制標識などを確認いただきたいと思います」

 バイク死亡事故の損傷部位は頭部が最も多く、次いで胸部。警察庁でも胸部プロテクターの重要性を指摘していたが、やはり胸を保護するのは重要だ。

 そして驚くべきなのは「125cc以下の原付が立入」しているという事態。入口で見落とされたのか、どうやって進入したのか不明だが、絶対にやめていただきたい。

 首都高速では同社HP「二輪車の安全走行のために」で、首都高で発生する二輪車事故の特徴や運転する際の注意すべきポイントを掲載。同HP「知れば万全!首都高ドライブ動画(https://search.shutoko.jp/movie/)で、首都高の運転に慣れていない人に対し、安全に走行するヒントを走行映像を使って説明している。

 6月に公開が予定される首都高速による事故のまとめとともに、運転が不安な人は参考にしてみてはいかがだろうか。どうか安全に!

【画像ギャラリー】首都高速二輪事故発生地点マップ(2018年4月~2021年3月)(3枚)画像ギャラリー

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