悪法を許すな! 高すぎる自動車税制変える4つの提案


【3】矛盾多きエコカー減税の撤廃

N-BOXのカタログ燃費はNA車で27.0km/L。対してアルファードHVは同19.4km/L。燃費値が優れるのはN-BOXながら、エコカー減税で取得税・重量税とも免税になるのはアルファードと重い方が有利になってしまう

 今の自動車税制は激しい矛盾を抱える。

 前述のように課税根拠を失った「元・道路特定財源」の自動車取得税・重量税を存続させながら、その一方ではエコカー減税も実施しているからだ。違法性を伴う徴税と減税が併存する。

 ユーザーから見れば、国と自動車業界による搾取と受け取られる。不当な重税は自動車業界にとっても困るが、購入時にエコカー減税を実施すれば、自動車販売への悪影響は小さく抑えられるからだ。自動車ユーザーに重税を課しながら、国が自動車業界に配慮した形になっている。

 特に今の自動車メーカーは、背の高い軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなど、エンジン排気量の割にボディの重い車種を販売に力を入れる。

 これらの車種は燃費基準を高水準で達成しやすく、エコカー減税にも適合させやすい。ハイブリッド車も含めて売りたい車種の多くが減税対象に入るから(2018年4/5月以降は少し減ったが)、メーカーにとってあまり痛手にならない。

 そうなるとユーザーは、エコカー減税で購入時の税額は安く抑えられても、その後は、長い年月にわたって高額な税金を負担することになる。

 さらに、前述のように燃料に含まれる税金も高額だ。その負担額はユーザーの使い方で異なるが、1年間に1万kmを走れば相当多額になる。つまり、自動車ユーザーの税負担は、購入時ではなく所有段階で最も重く課せられているのだ。

 従って自動車業界が自動車関連の税金をユーザーの立場で考えるなら、エコカー減税の撤廃と“クルマを買った後”の税負担軽減を訴えるべきだ。「購入時の税額が少々高まり、自動車の売れ行きが一時的に下がってもそこは許容する」といった見方も不可欠になる。

 所有段階での税負担を抑えない限り、自動車の需要を長期的に保つことは難しい。自動車業界は、短期的で都合の良い国と馴れ合う考え方は捨てるべきだ。

【4】古い自動車への増税廃止

2002年まで販売されたスープラと1998まで販売されたR33型スカイラインGT-R。これらの車種も増税の対象。ドイツで30年超の車が減税されるのとは正反対で文化的な観点から見ても“酷税”だ

 今の自動車税制で最も問題なのは、13年を超えた車両に増税を課すことだ。増税は自動車重量税と自動車税、つまり購入後に納める税金の両方で行われる。

 まずは自動車重量税だが、車重1300kgの小型/普通車の場合、継続車検時の重量税(2年分)は、エコカー減税車なら1万5000円だ。減税対象外の車種は「当分の間税率/道路特定財源時代の暫定税率」が適用され、2万4600円になる。

 これだけでも高いのに、初度登録から13年を経過すると3万4200円に増税され、18年を経過すると3万7800円に達する。エコカー減税車(1万5000円)の2.5倍だ。

 さらに自動車税/軽自動車税も、13年超で約20%の割増になる。2000ccエンジンを搭載する小型/普通乗用車の年額は3万9500円だが、13年を経過すると4万5400円だ。

 古い自動車に対して増税する理由は「新しい自動車に乗り替えると環境性能が向上する」というものだが、古い車両を廃棄して新車を買うことがエコだとは限らない。車両の廃棄、新車の生産や流通も環境に負荷を与えて二酸化炭素を排出するからだ。

 そして何よりも福祉に反する。古い車両を使う多くの人達は、新車の購入が難しく、仕方なく使い続けているからだ。そこから多額の税金を搾取したり、無理矢理新車に乗り替えさせるのは、国と自動車業界の共謀に基づく「弱い者イジメ」という見方も成り立つ。

「お年寄りを大切にしましょう。困っている人に優しくしましょう。モノは大切に使いましょう」

 当たり前のことを忘れてしまったのだろうか。我々の大好きな自動車の世界には、相当な悪法がまかり通っている。

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