UDトラックスはつい先日、トラックドライバーとしてのスキルを競う「UDエクストラマイルチャレンジ」を開催したばかりだが、今度はアフターサービスの技術を競う「UD現場チャレンジ2022ワールドファイナル」を11月9日、4年ぶりに開催した。
世界中のUD社ディーラーの中から予選を勝ち抜いたメカニック・フロント・部品スタッフのチームが、UDトラックス上尾工場のエクスペリエンスセンターに集結。決勝戦に挑んだ。
文・写真/フルロード編集部
【画像ギャラリー】UD現場チャレンジ2022ワールドファイナルをギャラリーで見る(11枚)画像ギャラリー現場チャレンジの概要
「UD現場チャレンジ」は2014年から隔年で開催され、2020年大会はコロナウイルスの影響で中止となっていたが、4年ぶり4回目の開催を迎えた。
上尾工場で開催される決勝戦に出場できるのは、ラウンド1・2まである予選を勝ち抜いたチームで、今年の予選には11の国・地域のディーラーから選出した587チーム・総勢2161名が参加。うち7カ国12チームが決勝戦に進んだ。
なお決勝戦では販売車種別の国・地域の競技に分かれ、新興国向けモデルのクエスター部門には、インドネシア、サウジアラビア、タイ、フィリピン、南アフリカ。クオン部門には、日本、オーストラリア、南アフリカが参加した(南アフリカはクエスターとクオンが併売されている)。
UDトラックスが大規模なコンペティションを開催する背景には、車両の高度化に伴うメカニックのスキルやステータス、アフターサービス事業の効率性の向上を図るため、晴れの舞台を用意することで現場で働く従業員の仲間意識やモチベーションアップにも繋げたいとの思いがある。
高度な現場スキルが求められる競技内容
競技は実際の車両やエンジン・電装部品などを使った5つ課題が用意され、メカニック、部品スタッフ、フロントが協力して挑むといった内容だ。
5つの課題はエレクトリック、エンジン、テックツール、ダイアグノシス、コマーシャルというテーマで分かれ、1つの課題あたりの作業時間は40分。なおクエスターとクオン部門では若干課題は異なるが、概ね同じ内容となっている。
クオン部門の課題内容は以下の通り。
エレクトリック:ワイパーの電気コンポーネントを使い、配線図(配膳図の一部は欠けている)を参照しながら適切にワイパーモーターが動くように各電気部品を結線する。
テックツール:実車を使用しテックツールのオシロスコープ機能を使いデータリングの信号を測定し、出題者(本来なら顧客)の要望に応じて車両のパラメーター設定を変更する。
エンジン:エンジン(GH8型)本体を使いバルブおよびコンプレッションブレーキピストンのクリアランスを点検し良否を判定。必要であれば調整を行なう。
ダイアグノシス(故障診断):実車を使用し、電動キャブチルトが作動しない、エンジンチェックランプが点灯といった電気的不具合の原因を特定し修理する。
コマーシャル:3Cs(苦情、原因、修正アクション)の文法を用いた論理的なワランティー(製品保証)クレーム申請書を作成する。
といった内容。課題おいて、構造・機能の仕組みを理解しているか、工具や測定機器を正しく使えているか、作業手順や整備要項の安全基準などは守られているか、といった部分が採点対象となっている。
ファイナリストたちはむずかしい課題競技に苦戦しながらも、日頃の現場スキルを活かし懸命に挑み、今大会は、クオン部門は日本代表の八戸カスタマーセンター(チーム名:Team Hachinohe)、クエスター部門はインドネシア代表(チーム名:ID Team)が優勝者となった。
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