■S208との違いはどこ?
ここで改めて、S208との違いについて挙げてみたい。まず足回り&メカニズム。エンジンは前述の通り、S208は329ps/44.0kgmのEJ20、2L、フラット4ターボだが、S209はEJ25、2.5L、フラット4ターボが搭載され、341hp(345ps)を発生する。
ただ、ベースとなるエンジンが異なるため、専用チューニングが異なるのは当然のこと。吸気系では大型エアクリーナー&専用エアクリーナーボックス、大径吸気パイプ、低圧損ダクトブーツ&インテークダクト、大径ターボチャージャー(S208はボールベアリングターボ)はS209専用品で、S208のウリのひとつだった専用髙出力バランスドエンジン&クラッチカバー&フライホイールはS209には採用されていない。
鍛造ピストンや強化バルブスプリングのほか、低背圧パフォーマンスマフラーやインタークーラーウオータースプレー(パドルスイッチ付き)、VDC、アクティブトルクベクタリングなどはS208にも採用されていたパーツだ。
足回りでは、まずタイヤとアルミホイールが違う。S209は265/35R19サイズのダンロップ製SP SPORT MAX GT600Aにゴールド塗装の9J×19インチのBBS製鍛造アルミホイールを組み合わせるのに対し、S208は255/35R19サイズのダンロップSPORT MAXX RT(吸音スポンジ付き)に8.5J×19インチのBBS製鍛造ホイールを装着している。S208のアルミホイールの色は標準仕様がシルバー塗装、NBRチャレンジパッケージがブラック塗装となる。
最大のポイントはS208のフロントに採用されているビルシュタイン製倒立式可変ダンパー、ダンプマチックⅡがS209に装着されていないことだろう。このダンプマチックⅡによって上質な乗り心地を両立させていただけに、これが装着していないとなると、足は相当固く感じるかもしれない。
そのほか、ブレンボ製ブレーキやSTI製フレキシブルタワーバーフロント、ドロースティフナー、ピロボールブッシュ・リアサスリンク、サポートフロントは共通採用パーツとなっている。
細かいところを挙げれば11:1のクイックステアリングやSTIフレキシブルサポートサブフレームリアがS209には採用されておらず、逆にSTI製ショートストロークギアシフトレバーがS209に採用されている。
エクステリア関係では前後のワイドフェンダーが大きく違う。ボディサイズをスペックで比べてみたが、S209が全長4620×全幅1839×全高1476mm、S208が全長4635×全幅1795×全高1470mmと、目立つのは全幅。なんとワイドフェンダーによって全幅が片側21mmずつ、計44mmも拡大していた(すべてインチをmm換算した数値)。
さらにS209ロゴ入りサイドガーニッシュやフロントフェンダー上のエアアウトレット、バンパーサイドカナード、ブラックカラードアミラー(S208はサテンメッキ)などがS208と違う。
ちなみに車両重量はS208が1510kg、S209が1580kgと、S208比70kg増だった。
さて、S209はどのようなクルマに仕上がっているのか? これまでの情報をまとめると以下のようになる。
ニュルブルクリンクのレースカーからフィードバックしたノウハウを注入して限界領域を上げ、S208を上回る速さを持ちながら、質感や快適性を兼ね備える。つまり普段使いを犠牲にしていないスーパースポーツ、それがS209といえそうだ。
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