三菱ふそうの小型トラック「キャンター」がブランド誕生から60周年を迎えた。同社の車名としては小型バスの「ローザ」についで息の長いブランドだ。
60周年を記念して、キャンターってどんなクルマなのかを振り返ってみよう。
文/フルロード編集部
写真/三菱ふそうトラック・バス、フルロード編集部、美川ボデー
キャンターってどんなクルマ?
三菱ふそうトラック・バス(当時:三菱自動車)は1963年3月、小型トラックの分野にFUSOブランドとして初めて参入し、視界が広く運転操作が容易なキャブオーバータイプのT720型を発売開始した。
このT720型が初代「キャンター」であり、車名は駿馬の健脚と軽快な走りをイメージし、英語で馬が駆け抜けることを意味する「Canter」から名付けられた。
初代モデルの発売以降、キャンターは戦後の復興から高度成長期を経て、輸送の長距離・高速化、2000年代初頭の三菱自動車からの分離(ダイムラートラック編入)、そして近年では環境問題への対応など、時代の変遷とともに進化を遂げてきたクルマだ。
また、1960年代から世界各地で販売地域を拡大し、アジア地域では小型商用車のセグメントをけん引する存在に成長。
特に48年前に三菱ふそうが初めて海外進出した市場の一つで、ノックダウン工場をもつインドネシアでは、小型トラックのセグメントで過去48年間トップシェアを維持してきた。
現在は12の海外マーケットでノックダウン生産が行なわれ、完成車は世界60カ国以上に輸出、世界70カ国以上で販売されている。
歴代のキャンター
歴代のキャンターを振り返ってみると、まず先に挙げた1963年発売のT720型2トン積みトラックが初代。2代目となるのは1968年発売のT90型シリーズで、同車は初代より積載効率をアップし、3種類のエンジンが設定された。
1973年にはフルモデルチェンジし、3代目となるT200型シリーズが登場。2.5トン、3トン積みタイプが展開され、エンジンは2.7リッター・80PSのディーゼルエンジンが搭載された。
以降、1978年にワイドキャブを設定した4代目、1985年に新開発の130PSエンジンを搭載した5代目、1993年にラウンドキュービック型キャブが人気となった6代目、2002年に現行まで続くインパネシフトを採用した7代目にモデルチェンジ。この7代目には初のハイブリッドモデル「キャンター エコハイブリッド」が2006年に追加された。
そして2010年のフルモデルチェンジで8代目が登場。当時トラックで世界初のデュアルクラッチトランスミッション「デュオニック」を搭載し、小型でいち早く尿素SCR(アドブルーを使用するNOx還元装置)が採用された。
また8代目は2016年に、改良型デュアルクラッチ「デュオニック2.0」を採用し、エンジン改良による燃費向上を図った2016年モデルが登場。
そして2020年にはフロントフェイスにFUSOの新しいデザインアイデンティティであるブラックベルトをまとった、現行の9代目ともいえる(エンジン等に大きな変更はない)キャンターが登場。小型トラックに巻き込み防止装置など先進安全装備を採用したのも話題となった。
また、三菱ふそうは7代目~8代目までハイブリッドモデルを設定してきたが、環境車両としては2017年に電気小型トラック「eキャンター」へバトンタッチ。
eキャンターは衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備を搭載した2020年モデルへマイチェンしたあと、2022年7月に電動アクスルを採用した「次世代eキャンター」へフルモデルチェンジが発表された。発売は2023年の春頃を見込んでいる。
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■キャンター誕生60周年記念キャンペーン
三菱ふそうは「キャンター誕生60周年記念キャンペーン」を2月1日より開始する。三菱ふそうLINE公式アカウントを友だち登録し、応募画面でアンケートに答えると、抽選でキャンター購入資金として、なんと最大100万円プレゼントがもらえるそうだ。キャンペーンは2月1日(水)~4月30日(日)まで。キャンペーン期間中は毎月20名(100万円1名・50万円5名、25万円14名)、3カ月で合計60名が当選。毎月抽選を行なうため、抽選結果より期間中最大で3回の応募が可能となっている。
※詳細は三菱ふそうまで
▽キャンペーン特設サイト
http://fuso-campaign.jp