ガソリン価格に異変あり!! フルサービスとセルフの価格差急接近 何が起こっているのか?


■都心部ではフルサービスとセルフサービスであまり変わらない場合も

数百m離れているだけでリッター3円~5円違うこともある。写真は2018年10月の高騰時のもの

 さらにその価格差は何か突き詰めてみると、ガソリンスタンドの立地条件でも価格差が生じてくる。小規模なガソリンスタンドでは、地元の地主が経営しているパターンも多かった。

 その場合、安売りすることは避け、地元のユーザーに利便性を提供することで適切な対価(つまり郊外店より若干高め)を得ていたことが多かった。

 周辺に競合が少なければ、価格は高めでも商売として成り立つという構図があったので、安定した経営が可能だったのだろう。

 しかしクルマの燃費が向上して燃料給油の間隔は延びていて、地元のガソリンスタンドで入れなければ困るという状況は減っている。

 ユーザーも低燃費を上手く利用して、買い物や出掛けたついでに単価の安いガソリンスタンドで給油して帰るような使い方になってきた。

 この結果、地元や中間地点にあるガソリンスタンドがまず客足が遠のくことになり、経営難で廃業が続いた。これがある程度進むと競争原理が働きにくくなって、残ったガソリンスタンドは確実に利益が残せる値段で燃料を販売できるようになるかもしれないが、地下タンクの交換コストなどの問題もあり、ガソリンスタンドの淘汰が進んでいる。

 ちなみに競争が激しいところでは、ガソリンを販売しても直接は利益に結び付かず、エンジンオイルやタイヤ、車検などのサービスを販売して利益に結び付けている。

 また一定量の燃料を販売すると元売りから販売奨励金が支払われるので、燃料代は赤字になっても、最終的には利益が出る仕組みになっているのだ。

 セルフサービスかフルサービスか、というのも価格に差が付くポイントだ。ガソリンスタンドは長く、スタッフが給油するという業態を続けてきた。それは燃料が危険物に含まれるということから、給油作業は知識を持つ人間がしなければならないという制約があったからだ。

 しかし給油ポンプの安全性を高めたり、給油スピードに制限を加えることで、ドライバーが自分で給油しても安全な作業に工夫され、万が一の際には事務所内のスタッフが消火装置を作動させたり、給油を停止させることができるようにしたことで、セルフサービス式が導入可能になった。また支払いのシステムもセルフかされて、人件費などのコストはかなり圧縮されている。

 いまや都市部ではセルフ形式のガソリンスタンドのほうが圧倒的に多い。ただし今では、周囲にライバル店が多い地域ではフルサービスのガソリンスタンドでも、セルフ形式のガソリンスタンドと単価がほとんど変わらない、なんて現象も起こっている。

 軽油の場合、スタンドの方針で価格が違うこともある。特に都内の小さなガソリンスタンドで見かけるのが、「トラックお断り」の看板。

 これは敷地が狭く、給油時間が長いトラックがやってくると、その他のクルマへの給油に支障が出てしまうことから、掲げているのだろう。

 また首都圏の都市部では、この看板とは別に軽油の価格をあえて高めに設定して、トラックドライバーが自然と敬遠するようにしていると思われるガソリンスタンドもある。

 そのため同じ地域内でも、軽油の価格が一般的なところと、レギュラーガソリンと変わらないくらい高めになっているところがあったりするのだ。