装着義務化するべきTPMS(タイヤ空気圧警報装置)

直接式と間接式は一長一短 どっちがいいのか!?

 TPMSには方式の違いによって直接式TPMSと間接式TPMSのふたつの方式がある。

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ブリジストンが販売する『TPMS B-01』。直接式だが、内圧の絶対値の表示はなく、内圧低下をランプで警告する。価格は1万5000円前後
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■直接式TPMS

 各タイヤホイール内部に圧力センサを装着し、各輪のタイヤエア圧を常時モニターするシステム。一般的にはエアバルブ部に送信機と一体化されたセンサーを備えており、微弱電波で車両側ユニットと通信を行い、異常なエア圧低下が発生した場合などインパネなどに設置した警告灯でドライバーに知らせる。ランフラットタイヤを装着するスカイラインにはこのシステムが標準装着されており、インパネのインフォメーション画面上で走行中でも常時4輪のエア圧絶対値を知ることができる。

 メリットはいうまでもなく、各タイヤのエア圧を常時モニターしていることで、複数のタイヤがバラバラに内圧低下を起こした際にもその異常を検知することができる点にある。

 ただし、ホイール内部にセンサーと送信機をセットするため、バッテリーの寿命があり、一定期間ごとにバッテリー交換の手間が発生するのは大きな手間。タイヤを脱着しなければ電池交換ができないのだ。

■間接式TPMS

 対してこちらは、直接的にタイヤのエア圧を測定はしていないというのが大きな違い。

 では、どのようにして内圧低下を検知しているのかというと、ABSセンサーを利用しているのだ。

 どこか1輪の内圧が低下したとする。すると内圧が減少することでタイヤの外径が小さくなる。他の3輪との回転速度差が生じることになる。これをABS用の車輪速センサーが検知して、異常と認められた際に警報を発するというシステム。おおよそ25%程度内圧が低下した時点で警報を発するようになっているシステムが多いようだ。

 メリットは圧倒的な低コスト。現在の新車にはABSが標準装備されているので、新たなセンサー類を追加する必要なく、ソフト側の変更で対応できるためである。

 だが、タイヤの回転速度差による検知システムであるため、精度は直接式に対し低くなる。回転速度差が生じやすくなる場面では機能しない。例えば、スポーツ走行でタイヤを滑らせて走るような場面や、SUVがオフロードでタイヤをスリップさせるような場面である。

 また、エア圧の低下を知ることはできるものの、内圧の絶対値を検出しているわけではないので、微妙なエア圧の変化には対応できない。

ないよりあったほうが絶対にいい

 それでも、TPMSはないよりもあったほうが絶対にいい、とベストカーは声を大にしていいたい。間接式だと精度に難があるといったけれど、警告が出たならガソリンスタンドなどに立ち寄った際に内圧チェックをすればいい。異常がなければそれでいいのだし、もしスローパンクチャーなどのトラブルがあればただちに対処することで高速道路上でのバーストといった最悪の事態を回避することが可能となる。

「義務化にはまだ検討が必要」と協議会ではいうけれど、欧米諸国がそうしたように、当局が一気に義務化をするなどの政策的な動きをしなければ、メーカーはなかなか動かないのが現実。直接式だとコストもかかり、車両価格にも上乗せされることになろうが、間接式だったら最小限のコストで全車装着することができると思うのだが。いかがだろうか !?

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