■話題のビッグモーターが在庫を放出する影響はあるのか
そして不正問題で注目されるビッグモーターが在庫車をオークションで大量処分している、と報道されているが、この影響が出てくるのも市場が供給過剰となるこれからだろう。
ビッグモーターの子会社であるミライブのオークション状況を見ても、特に出品台数が急増した印象はない。これはオークション会場の収容能力などキャパシティの問題もあるだろう。
そもそも例年8月中旬から9月中旬にかけては、決算期に向けて在庫車を現金化したい販売店と、決算に向けて販売台数を上積みしたい販売店の思惑が交差して出品台数、成約率とも高い傾向にあるようだ。
こう書くと在庫車を現金化してるのは噂だけかと思うかもしれないが、ビッグモーターの店舗を見ると、店舗によって差はあるが大幅に在庫を減らしている拠点をいくつもみかけるので、在庫車を処分して現金化しているのは間違いない。
売れやすく高値が付きそうな在庫車から出品して、買い取りを減らすことでキャッシュフローを確保しようとしているのだろう。
これまでの悪行がバレた以上、現在の企業規模を維持していくのは明らかに不可能だから、まずは店舗の統廃合によって固定費を削減するとともに在庫車両の展示スペースも減らすのだろう。
ビッグモーターの在庫は3万台とうたわれていたから、3分の1に減らしたとして2万台が中古車市場に流れるが、それは中古車の登録台数(約300万台)で見れば1%以下なので影響は限定的だと思われる。
■買うなら今がチャンス!! 中古車の価格が値上がらない可能性大!??
これからしばらくは中古車が値上がりする要素は少ない。燃料高によって燃費のいい新車に買い替えるユーザーが増えることで、しばらくは中古車が増え続けるのではないか。
それでも人気車種でタマ数が少ない車種は、現状でも値下がりは少ない。タマ数が豊富、あるいはそれほど人気がなくても、全体の相場に釣られて値上がりしていたクルマが値下がりしているのだ。
全体的に物価が上昇しているため中古車の在庫管理や点検整備のコストも上昇しているから、販売店はコスト上昇分を中古車価格に転嫁したいところだろうが、燃料価格が高止まりしていることから中古車価格を引き上げると客は遠のきそうだ。
次のクルマはEVにするか、ハイブリッド車にするか迷っている新車購入層も多く、買い控えからクルマの平均車齢も伸びる傾向にある。
したがって、値上がりする可能性は低いから、もうしばらく中古車市場を静観するのもいい。
ただし欲しいと思うクルマが出たら思い切って購入しないと、誰かに買われてしまったら同じ仕様、状態のタマは出てこない。
1年後に同じような仕様が値下がりしていても、その分走行距離が進んでいたり、内外装がヤレていれば安いのは当たり前だ。
それに1年間、そのクルマを利用できない損失を考えれば、値下がりを待つのも考えものだ。
よほどの絶版車を手に入れようというのであればじっくりと気長に考えるのもいいが、あまり気長に構えすぎると好機を逃してしまうことにもなりかねないので気をつけよう。
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