ドライバーにとって新たな脅威となりそうなのが、2014年11月4日より埼玉県警で試験的運用が開始された3タイプの新型オービスだ。便宜的に「オービス」と呼んでいるが、正しくは無人式速度取り締まり機だ。
■新型オービス導入の背景
これまでは高速道路を中心に、一般道でも速度が出てしまいがちな国道やバイパスなどを中心に設置されてきたけれど、大がかりな機器を設置するという性格上、場所が特定され、ある程度周知されると、速度違反を抑制する効果は大きくなるいっぽう取り締まりの効果が薄れるという問題点があった。
そこで新たなオービスが導入された。場所を移動して設置可能な『可搬式』と『半可搬式』、そして固定式ながらこれまでのオービスよりも圧倒的に小型で設置コストも低減できる『新固定型』である。警察庁が主導して導入を検討しているとのことで、まずは実証実験のために埼玉県警に配備され、11月4日からすでに稼働している。
いずれのタイプも高速道路やバイパスなどではなく、30〜40㎞/h制限の生活道路、周囲に小学校などがある通学道路などを中心に設置して取り締まりを実施するという。
これは、先に当時の古屋国家公安委員長が提言した「取り締まりのための取り締まりではなく、本当に必要な取り締まりをするべきだ」という言葉に対するひとつの回答とも見受けられる。通学路での悲惨な事故が後を絶たない現状を鑑みると、この新タイプの取り締まり機の投入はいたしかたないと言えよう。
■新固定式の現場を徹底取材して見えたこと
問題の固定式は埼玉県川口市戸塚東2‐2と、さいたま市北区別所町44‐28の2カ所に設置されている。今回BC取材班が訪れたのは川口市の現場。東川口駅から伸びる片側1車線の40㎞/h制限道路で、「けやき通り」と呼ばれている。近くに小中学校があり、信号のない横断歩道もある。
問題の新型固定式オービスは、東川口駅方面から戸塚東交差点方面に南進する方向に設置されており、ちょうどカメラのキタムラの看板が見えるあたり。約50m手前の路肩植え込みにある電柱に「速度違反監視中」の看板が設置されているが、事前告知看板はこの1枚のみ。
新型オービスは横断歩道地点の高さ3・3mのポールに設置されており、周囲の景色に溶け込んでドライバーからの発見は困難と感じた。レーダー探知機を用意したのだが、近隣に商店が多く、自動ドアの電波に反応するのか、「新型オービスが発する電波をキャッチした」と確信できる状況ではなかった。
本体は右の写真のとおり。しばらく近くで張っていたところ、本体両サイドのLEDが赤々と点滅し、同時に本体から「クルマが接近していいます」と合成音。この赤いLEDは速度超過に対する警告のようで、気がついて減速すれば撮影されることはないようだ。
さらに張り込みを続けていると、再びLEDが点滅。かなりハイスピードで接近するバイクに対し、白い閃光が放たれた!! 目測で60〜70㎞/hは出ていたと思われる。
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