【ペダル踏み間違い事故多発!!】高齢ドライバーへの防止装置装着義務付けの積もる問題点

■後付け装置でもペダル踏み間違い事故の対策はできる

データシステムが開発し、オートバックスが販売している「ペダルの見張り番」のシステム図

 最近、注目を浴びている商品に急発進防止装置とか、ペダル踏み間違い防止装置と呼ばれるものがある。

 随分前からガソリンエンジンのスロットルバルブが電子制御式になったことで、ざまざま制御が組み込めることを利用した電子アクセサリーが出回っているのは、ご存知だろうか。

 燃費をより高めたり、アクセルペダルの踏み込みに対するエンジンのレスポンスを向上させるスロットルコントローラーという商品たちだ。急発進防止やペダル踏み間違い防止装置も、このスロコンと同じ仕組みを利用している。

 エンジンのECUはペダルを踏み込む量だけでなく、踏み込む勢いまで検知してドライバーの加速要求を判断している。

 大きく踏み込んだだけでなく、速く強く踏み込んだ際には「それだけ強い加速を要求している」とECUが判断して、実際のスロットル開度や変速機のシフトダウンなどを行なっている。

 こうしたノウハウを利用して開発されたのが、ペダル踏み間違い防止装置だ。データシステムが開発し、オートバックスで販売されている「ペダルの見張り番」(3万2399円)は、車速が0キロの時にアクセルを急激に踏み込むと、ブレーキペダルと踏み間違えていると認識して急発進しないように、スロットルバルブを開かないように制御を変える。

 加速抑制の強さは3段階に調整可能だ。またブレーキペダルとアクセルペダルを同時に踏み込んでしまった場合(ブレーキペダルを踏んだ右足の先でアクセルペダルも踏み込んでしまったような状態)にも、スロットルバルブを開かないように制御を行なうのだ。

 続いて「ペダルの見張り番」がさらに進化し、2019年4月に発売されたのが「ペダルの見張り番II」(オープン価格)。「ペダルの見張り番」と同様、データシステムが開発し、オートバックスが販売している。

2019年4月に発売されたばかりの「ペダルの見張り番II」(オープン価格)<br>
2019年4月に発売されたばかりの「ペダルの見張り番II」(オープン価格)

 ペダルの見張り番IIはアクセル信号を常時モニターし、5段階の警告音で知らせ、停車時または徐行時(10km/h以下での前進、後退)にアクセルペダルが急激に踏み込まれるとアクセル信号をキャンセル。

 アクセルとブレーキを同時に踏み込んだ場合でもブレーキを優先するうえ、そこから仮にブレーキを放してアクセルを踏み続けた場合でも急発進しない二重の安全設計だから安心だ。

 本体はコンパクトで、ダッシュボード裏の見えない場所に取り付けができ、純正車両配線に車種別のハーネス(別売)をカプラー接続。車両に加工を施すことなく簡単に装着が可能だ。

 適合車種が軽自動車からスポーツカー、ミニバンまで100車種以上と幅広い車種に対応している点にも注目したい。

 思い切って急加速の能力は切り捨てて、ペダル踏み間違いのリスクに対応している、というのがアイデアものだろう。年老いた両親がいらっしゃる方は、これをプレゼントして装着してあげるのもいい。

■トヨタとダイハツの後付けペダル踏み間違い装置

 トヨタの後付け踏み間違い加速抑制装置は販売店装着の純正用品で発売。写真下段が超音波センサー(前・後)、写真右上が車内に取り付ける表示機  価格は工賃含めて約8万円(本体5万5080円)。対象車種はプリウス/2009年5月18日〜2015年12月8日販売モデル。アクア/2011年12月26日〜2018年4月2日販売モデル )
トヨタの後付け踏み間違い加速抑制装置は販売店装着の純正用品で発売。写真下段が超音波センサー(前・後)、写真右上が車内に取り付ける表示機 価格は工賃含めて約8万円(本体5万5080円)。対象車種はプリウス/2009年5月18日〜2015年12月8日販売モデル。アクア/2011年12月26日〜2018年4月2日販売モデル )

 トヨタは「踏み間違い加速抑制システム」、ダイハツは「つくつく防止」という商品名で、同様の後付け装置を販売している。

 これは、より高度で新車に装備されているADAS(先進運転支援システム)のペダル踏み間違い防止機能とほぼ同じモノだ。

 前後のバンパーに超音波センサーを組み込み、進行方向に障害物があると検知すると、アクセルを踏み込んでもスロットルバルブを開かず、ドライバーに警告をしてペダルから足を放すことを促す。

 どちらも価格は取り付け工賃を含めると6万~8万円前後となり、オートバックスの「ペダルの見張り番」より少々高額だが、より複雑なシステムであることを考えると納得のいく内容だ。

 これらの後付け装置や、新車に装備されている機能には限界があることを知っておくことも大事だ。

 例えばダイハツのスマートアシスト3は前述の超音波センサーで障害物を認めると、スロットルを強制的に閉じる制御を8秒間持続させる。

 その間の警告にも気付かずにアクセルを踏み続ければ、クルマは加速を始めることになる。認知症による誤操作であれば、絶対に踏み間違いなどを防止させることは難しい場合も存在するのである。

ダイハツは後付けペダル踏み間違い加速抑制装置『つくつく防止』を発売。価格は3万4560円(標準取り付け費込み5万9508円)。 対象車種は2代目タント、4代目ムーヴ、7代目ミラ

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