■認知機能だけでなく免許更新時に運転技能の検査を導入すべき
少し前から高齢者ドライバー向けに自動ブレーキ限定免許という条件付きの免許の新設が検討されている。
それと同じようにペダル踏み間違い防止装置を後付けでも義務付けてはどうか、という議論が起こっている。しかし、現状ではトヨタとダイハツ、アフターパーツだけというのは少なすぎる。これだけ社会問題化しているのにメーカー側の対応も本腰をいれるべきではないだろうか。
しかし後付け装置の義務付けは、確認するための作業を誰がどのようにするのか、という問題も含めて、実現することは難しい。
それよりも問題の本質はどこにあるのか、いま一度考えてみることが大事だ。運転免許は、一度取得したら、運転する権利を獲得したという感覚になっているドライバーが大半であることが、問題の根底にあるのではないだろうか。
そもそも運転免許とは、運転する権利ではなく運転を許可された状態である。だから交通違反などで免許停止や取り消しなどの処分があるのだ。
したがって運転する能力が低下したドライバーは、許可を取り消されても仕方ないという風に考えることだってできる。
自分が取得した資格だから失うのは損だという考えもあるし、これまで運転してきた経験がプライドを生み、移動する自由を奪われることへの抵抗もあるだろう。
自分の親が免許の返納を渋って困っている、というなら自動車教習所に一緒に行って運転技能のチェックをしてもらうといい。
現在75歳以上のドライバーは、運転免許の更新時には認知機能検査が義務付けられているが、有識者会議では、更新時に運転技能の検査をすべきという案も出ている。
すでに欧米では高齢者向けに条件付きの免許を交付する例が増えている。日本でも、安心して高齢者が運転できる環境を性急に整えるべきだ。それと同時に移動困難者へのサポートも充実させることは急務である。
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