なんと道路上の鳩をひいたとして鳥獣保護法違反の疑いでタクシー運転手が逮捕されたという。道路上にいる鳩を故意にひいたということであれば分からなくもないが、いったいどういうことなのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:AdobeStock
【画像ギャラリー】動物をひいたら通報を!! 運転中に鳥獣保護法違反はあり得るのか?(1枚)画像ギャラリー■故意に動物の命を奪うことは違法行為だ
自動車専門メディアの編集者として生活してきて、今回のニュースほど驚いたというか唖然とした話題はなかったかもしれない。なんたって道路上にいた鳩をひいたとしてタクシー運転手が逮捕されたという報道が各社からあった。
逮捕容疑は鳥獣保護法違反ということだが、きっかけは一連の行為を見た歩行者が警察に通報して逮捕されたという。いったいどういうことなのだろうか? 警察が逮捕するに足ると感じたのだから、もしかしたら偶発的な事象ではないのかもしれない。
報道によれば50km/h制限の道路を急加速して60km/hで走行、そして鳩の群れに突入していったという。急加速の立証が難しく、死骸が確認できる鳩を殺めたという事実で逮捕した可能性もあるが、こればかりは今後の捜査の進展を見守るしかない。
■「そもそも道路は人間のものだ」
容疑者は「道路は人間のもの、鳩がよけるべき」という趣旨の供述をしたというが、ここだけを聞けばまさにその通りにもとれる。実際に鳩が路上に止まっていて、どれだけのドライバーが徐行や停止をして、自動車の交通を遮断してまで本線上にいる鳩を迂回するのだろうか?
もちろん急加速して鳩に突っ込んでいくのは道徳的にありえないハナシだ。しかし「近づけばどいてくれるだろう」という認識のもと、多くのドライバーは注意しつつも普通に通過していないだろうか。
鳩さん1羽の命が奪われたのは実に悲しいことだが、通常の運転をしていて避け切れない状況であれば仕方ないようにも思う。また故意に動物をひいた場合でなければ「物損事故」として処理され、法律上の動物は「物」となる。
自動車専門メディアとしては急な動物の飛び出しの際は自身と周囲の交通を守る手段をとってほしいし、路上に動物がいる際はできる限り安全性を確保して通過してほしいというのが結論だ。
運転中に動物愛護法違反はなかなかないニュースだが、もし偶発的に動物をひいてしまった際も報告義務はあるので、警察などに連絡をすることは怠らず行いたい。
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