2024年2月5日の首都圏での大雪で、2月7日15時現在でも首都高速道路の一部で通行止めが続いてしまった。予防通行止めをしてまで首都高を守ったにもかかわらず、2日にわたって通行止めを続けている状況だ。これが望む結果だったのか!?
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部、首都高公式Xアカウント
※写真はイメージです
■予防通行止めは誰のため?
首都高をはじめとする多くの高速道路会社では「予防通行止め」と称して、降雪が浅いうちから通行止めをスタートした。狙いとしては立ち往生などの交通障害を回避する狙いがあった。
一見するとこの狙いは正当性が高いようにも思えるが、実際には大きな問題も生んだ。まず大型トラックなどの物流網が寸断されてしまったこと。中央道や東名高速、さらに国道20号線や246号線の通行止めも相まって、トラックドライバーの待機時間や6日以降の再配達など実働時間が増えてしまった。
物流・配送業者にとっての配送の段取りは遅くとも前日から始まっており、事前の予告があったとしても全面通行止めが突然決まってしまえば、にっちもさっちもいかない事態に陥る。
次にスタッドレスタイヤを装着しているドライバーにも不利益を与えたこと。しっかりと備えをしているドライバーに対し、まだ積雪もしていない道路を通行止めにする。これになんの意味があるのだろうか?
結局のところは「自社管内で問題を起こしたくない」という責任回避にも思える。
■そもそも通行止めにすると除雪は長引く
当然のことながら「通行止め」になることについて異論はない。しかし今回はあまりにもそのタイミングが早いし、自動車が通らないと道路上の積雪はどんどん増えていく。逆を言えば凍結防止剤を散布しながらスタッドレスタイヤ装着車を通行させれば、ある程度の積雪を防ぎつつ交通を維持することはできる。
しかし今回は5日の積雪があまりない11時30分頃から首都高は部分的に通行止めがスタート。最終的に通行止めが全面解除されたのが7日の16時30分頃。2日に渡って通行止めが続いてしまった。除雪が長引くのは最初から分かり切ったことだし、過去の大雪事例でも同様のことが発生している。
予防通行止めをして、その後の除雪など通行再開が早ければ今回の対策も評価されたかもしれない。ここは課題としてクリアしていってほしい。
ただ冬の備えをしろと大々的にPRしている道路各社が、スタッドレスタイヤ装着車も含めて道路から排除するというのはあまりにも短絡的だったのではないだろうか。
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