雨の影響が非常に大きく実燃費は各車伸び悩む
今回は豪雨という悪天候により全体的に結果が伸び悩んだ。市街地編は都内の標準的な流れが20km/hといわれているところ、平均時速が15km/h(約27㎞移動するのに1時間45分かかった)という混雑。
さらに雨でデフロスト(曇り取り)も必要で、電動エアコンとなる初代プリウス以外の3台でもそれなりの負担になっていたと思う。
1997年登場の初代プリウスは、モーターで発進、20km/hあたりになるとエンジンが加わる。
走行中はモーターとエンジンの使い分けをクルマがマネジメントし、減速時は回生ブレーキを使って減速エネルギーをバッテリーに戻すという、現在と同じトヨタ2モーターハイブリッドの動きの基本がこの時にできていたことに改めて驚く。
初代プリウスから改良を積み重ねたのが現行プリウスで、全体的な効率が23年分向上しており(例えば発進後エンジンが加わるタイミングは40㎞/hあたりということもしばしば)、トップとなる22.5km/Lを記録した。
実燃費結果でプリウスに水を開けられた2台。インサイトは「プリウスほど燃費は突き詰めていない」というカタログ燃費を反映した結果。
また、ノートはワンペダルドライブによる減速に時間がかかる人もいることと、カタログ燃費通りの差が出たということだろう。
ルート2/高速道路(練馬IC→鶴ヶ島IC)
約30㎞あるこの区間では、通常クルコンを100km/hに設定してクルージングするのだが、速度を出すと身の危険を感じるほどの大雨。
スタッフ一同、ここで無茶して死ぬ気はさらさらなく、80km/h程度で安全に巡航した。無事故で計測終了……。
インサイトがノートに対し強みを見せた
高速道路編も豪雨で速度こそ遅めだったものの、各種走行抵抗は強烈で実力より10%以上悪い結果だったと思う。
初代プリウスは当時よく指摘されたエンジンのパワー不足(58馬力)もあり、区間燃費はないが、高速道路では余力がなく辛かった。
現行プリウスは悪条件下でも後述する高次元なバランスが、トップとなる21.4km/Lという燃費を記録した要因だろう。
インサイト(19.4km/L)は構造的に高速道路などでの巡航中の燃費が悪化するのを防ぐためにエンジン直結モードを備えているが、ボディサイズや車重を考えるとエンジンが1.5Lと小さいことが燃費でプリウスに見劣りした原因に感じた。
ノート(17.7km/L)に搭載されているe-POWERのエンジンは直結モードを持っていないため、高速道路のペースになるとエンジンの負担が増え、燃費も伸び悩んだ。
ルート3/郊外一般道(鶴ヶ島IC→熊谷運動公園)
この区間約30㎞はとってもシンプル。小雨になり各車燃費の値もよくなっていく。日本車にとって50km/h程度での巡航が一番燃費はいいのか、各車とも燃費報告が楽しくなりテンションが上がる。
熊谷運動公園に到着し、無事計測終了。しかしその後の撮影で雨が再び本降りに。各員ズブ濡れ。この日はほんと、とことんツイていなかった。
プリウスがここでも圧倒! ほか2台も20㎞/L台に!
郊外路になると雨は小降りになり、ようやく標準に近い条件でテストができた。
全体的には4台とも市街地編に近い印象だったが、郊外の一般道ということで流れはスムーズかつ、回生制動でバッテリーを充電できる下り坂もありと、各車ベストとなる燃費を記録した。
初代と現行プリウスはフィーリングこそ似ているが、23年間の進歩でEV走行距離の延長、フットブレーキのフィーリングの劇的な向上などにより、現行プリウスは気を使わず走って25.0km/Lを記録。
インサイト(22.1km/L)は市街地、高速道路同様に、現行プリウスとはカタログ燃費通りの差がついた。
ノート(22.4km/L)は、郊外路だと当然ながら市街地ほどペースが遅くなく、約50km/hの巡航ペースになることも多かったこと、EV走行できる頻度も減少気味だった点が、コンパクトカーながらインサイトとイーブンの燃費となった原因だろう。
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