オリンピック銀メダリスト、そして柔道世界選手権での優勝など輝かしい成績を収めてきた柔道家・小川直也氏。
ベストカーでもクルマ好きとして多く登場しているが、実は筋金入りの「GT-Rマニア」。R32、R34、そしてR35を所有しており、富士スピードウェイでサーキットデビューした経験も。
そんな小川さん、2020年モデルのGT-Rに興味津々。そこでベストカーでは2020年モデルのGT-Rを借りだし小川さんに試乗をしてもらった。
2008年式オーナーの小川さんは10年以上熟成されたR35にどのような感想を持ったのだろうか?
文:小川直也/写真:平野学
■レーシングカーからラグジュアリーカーへ変わった??
R32、R34、R35と3台のGTーRを持っている俺にとって、2020年モデルは当然気になる存在。箱根で乗れると聞いて、忙しい合間を縫って駆けつけたぜ!
本当は2020年モデルのNISMOに乗れると勘違いしてたので、現場に置いてあるのがノーマルだと知って一瞬がっかりしたんだけど、試乗したらそんな気分は吹っ飛んだ。めちゃくちゃよくなってるよ!!
まずは内外装の違いから。俺が乗っているR35は初期型の2008年式だが、インテリアがけっこう変わってる。
俺のはエアコンの温度などがカーナビのモニターに出るんだけど、2020年モデルは操作パネルに出るようになってるし、エアコン吹き出し口の位置や形も相当違う。
また、パドルシフトは固定式からハンドル連動型に変わった。まぁ、こう説明したところで何人の人がわかるのかって話だけどな(笑)。
外観も基本的なデザインは一緒だけど、細部がけっこう違う。俺のGTーRにはないセンサーが前後に付いていて、車庫入れなんかでこれは便利。
リアタイヤの後ろにあるエアアウトレットもシブいし、マフラーの焼けた色もいい。そして何より、エンジンルームに組み立てた職人のネームプレートが付いてる。
そんなの俺のGTーRにはないぞ!
と、内外装をチェックしただけでも変化がわかるんだけど、メインはなんといっても走りの進化だ。凄く洗練されているんだ。
ノーマルモードで走っていると、俺の初期型がレーシングカーなら2020年モデルはラグジュアリークーペというほどの差がある。
DCTの変速がスムーズ。へんなショックや騒音がなくて、まったくギクシャクしないんだ。
■足回りは「シットリ」して上質な乗り味に進化
足回りもかなりソフトになった印象だな。数年前に改良型に乗ったことがあって、その時にも乗り心地がよくなったと感じたけど、2020年モデルはさらによくなってる。
かといって軟弱になったわけじゃなくて、洗練された感じ。これぞ「進化」ということなんだろう。
Rモードにするとどうか。足は硬くなるんだけど、それでも乗り心地はキツくない。面白いのは、Rモードではシフトチェンジの時に「ババンッ」とか「ボボンッ」っていう音が聞こえてくること。
スピーカーから流している擬似的な音らしいんだけど、レーシーな気分が盛り上がるのは確か。俺も面白くて何度も音を出しちゃったよ。
つまり、2020年モデルはコンフォートとノーマルモードではラグジュアリークーペのような乗り味で、Rモードにするとレーシングカーのような雰囲気になるということ。
1台のクルマで高級感と猛々しさの両方が楽しめるなんてお得だよな。
それにしてもGTーRは相変わらずバカッ速。公道ではポテンシャルの半分も引き出せないんじゃないか? それとブレーキもコントロールしやすくなっている感じがしたな。
いや〜楽しい試乗だった。クルマ全体にしっとり感が出て、大人っぽくなった印象。
それが好きか嫌いかは分かれるかもしれないけど、一方でRモードにしたら一気に攻撃的になるんだから、レーシーな雰囲気が好きな人も満足できるはず。最終型にふさわしい仕上がりだと思ったぜ。
【小川直也氏のこれまでの試乗インプレ】
・頭ははみ出すけど楽しいS660 ModuloX
・俺が持ってたセンチュリーと新型センチュリーを比較する
・ミニバン男気試乗でも気に入ったのはスターレット??
【GT-R 2020年モデルSPEC】
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