「バイオエタノール対応のエンジン搭載車」だけを販売するブラジル
池田:先行例として、国をあげてバイオエタノールをクルマの燃料にしたのがブラジルです。1970年代からサトウキビをベースにバイオエタノールを作ることに取り組んできて、今では「販売する新車はすべてバイオエタノールが使えるエンジン搭載車」でないとダメよというルールがあります。
司会(角田):あら、ブラジルは積極的ですね。
池田:はい。さらに、ガソリンと混ぜる比率も自由なんです。ある程度タンク容量が減ってきて、そろそろ給油という時に、ガソリンを選んでもバイオエタノールを選んでも構わない。つまり混合比率は決められておらず、自由な比率でちゃんぽんにしてOK!
司会(角田):逆にいうと、100%バイオエタノール入れちゃってもいいんですか?
池田:大丈夫です。
司会(角田):凄いエンジンですね!
池田:フレックス・フューエル・ビークル(FFV)と言うんですけど、ブラジルで売るクルマはこれに適合するエンジンでないといけないことになっています。世界中の自動車メーカーは、FFVを作る技術をすでに確立しています。
司会(角田):なるほど。ということは、つまり現状のガソリン車と価格でも対抗力がある製品(クルマ)がすでにできていて、それがもうブラジルでは普通に走っているんですね。
池田:そうです。トヨタはFFVのハイブリッド車も作っています。先代プリウスのFFVですね。
司会(角田):あら、身近な世界にバイオエタノールの波が来ているんですね!
池田:このように、バイオエタノールを使ったカーライフが成立している国が実際にあるので、代替燃料として一番現実的だというのは間違いない。で、ブラジル政府によると、いま国内で流通しているバイオエタノールの6倍くらいの量を作る余力がある……と言ってるんですよ。つまり輸出したいんですよね、彼らは。
司会(角田):国策の一環ですね。
池田:バイオエタノール関連の話がもうひとつあります。2025年12月、日本経済新聞が実施した「知っておきたいバイオエタノール。日米連携が実現する未来のガソリン」というセミナーに、僕、講師として呼ばれたんです。
主催はアメリカ穀物協会。米国大使館の農務担当公使という人や、イリノイ州トウモロコシ市場委員会のディレクターも講師として話をして……。アメリカ政府がバイオエタノールに本気! ということが伝わる場でしたよ。
司会(角田):さっきまではブラジルの話だったんですけど、「アメリカ」というのがちょっと匂いますね、何か。
池田:そう。つまりアメリカは、トウモロコシでバイオエタノールを作ろうとしているんですよ。しかも本気で! アメリカ国内の農業の振興になり、なおかつそれがエネルギーの輸出を生んで外貨を稼げるとすれば、アメリカは大喜びな事案なわけですよ。
さきほど話したブラジルの成功を前例としつつも、じゃあ日本がどこからバイオエタノールの燃料を買うのかとなると、アメリカですよ。今、日本はアメリカからいっぱいお金払えって言われてるわけじゃないですか、日米交渉で。
司会(角田):80兆円ですからね(笑)。
池田:燃料を買えばいいって話になるわけですよ。すでに、石油からバイオエタノールに切り替えていくという話があるんじゃないでしょうか。
司会(角田):あ、実は水面下で。
池田:はい。だって、現実にアメリカ農業関係の重鎮のみなさんが講演しに来ているんですよ。日本にわざわざ。
司会(角田):何も煙も火もないところには来ないですよね。儲かるって見込みがあるから来てるんだと普通に思っちゃいますね。
池田:このアメリカ産バイオエタノールの話。今後注目の展開ですから、みなさんのご記憶に留めていただければと思います。



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