「めちゃくちゃ流行ったな、このパジェロ!!」思わず漏れる当時の思い出…祝・三菱初代パジェロ「自動車殿堂」入り

「めちゃくちゃ流行ったな、このパジェロ!!」思わず漏れる当時の思い出…祝・三菱初代パジェロ「自動車殿堂」入り

 2023年11月14日、都内で「自動車殿堂」の表彰式が開催された。毎年「殿堂者」、「歴史遺産車」、「イヤー賞」へ贈られるこの顕彰、「歴史遺産」に初代パジェロが選出。授賞式に三菱自動車の増岡浩氏が登壇して、喜びと初代パジェロの思い出を語った。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、三菱自動車

■1980年代に旋風を巻き起こしたRVブームを牽引

「自動車殿堂」は、毎年「歴史遺産車」として、自動車産業に顕著な業績を残したモデルや技術を「殿堂入り」として顕彰している。今年(2023年)に選ばれたのは、以下のとおり。

・オートモ号 (1925年/授賞理由=オートモ号は、大正末期に日本初の量産自動車として約300台が市販されるとともに、初めて輸出された。また国産車開発を目指す多くの技術者を輩出した日本の自動車産業の端緒となった歴史的名車である)

・ダットサンブルーバード(510 型)/ DATSUN 510(1967年/授賞理由=ダットサン ブルーバード(510 型)/DATSUN 510 は、多くの新技術を積極的に導入した小型乗用車として国内はもとより米国でも高く評価され、国際ラリー等で活躍し、日本車の知名度向上に貢献した歴史的名車である)

・三菱初代パジェロ(1982年/授賞理由=三菱パジェロは、高い悪路走破性に加え乗用車感覚で乗れる多目的車として開発され、四輪駆動車の新たな市場を開拓するとともに、パリ・ダカールラリー等、国際的な自動車競技で活躍した歴史的名車である)

・マツダ787B(1991年/受領理由=マツダ787B は、最高峰の耐久レースであるルマン24 時間レースにおいて純国産車及びロータリーエンジン車として初の総合優勝を果たすとともに、“飽くなき挑戦”を続け、日本の技術を世界に知らしめた歴史的名車である)

オートモ号、ダットサンブルーバード、パジェロ、マツダ787Bと、彩り豊かな「歴史遺産車」認定となった今年の自動車殿堂
オートモ号、ダットサンブルーバード、パジェロ、マツダ787Bと、彩り豊かな「歴史遺産車」認定となった今年の自動車殿堂

 本稿では(かつて姉妹誌『フェネック』創刊に尽力してくれた御恩へのささやかな返礼も込めて)、初代パジェロ授賞スピーチである増岡浩氏の談話を紹介したい。

(「自動車殿堂」歴史遺産車に初代パジェロ選出を祝って増岡浩氏スピーチ引用ここから)

 本日は、歴史遺産車として、初代パジェロを認定してくださいまして、誠にありがとうございます。

 初代パジェロは1982年に誕生いたしました。この年には、東北新幹線、上越新幹線が開通しております。それまでの(初代パジェロが登場する以前の)クロスカントリータイプ、4WD車というのは、オフロード性能を重視するあまり、一般道であるとか、高速走行を苦手とする、まあ、決して扱いやすいとはいえないクルマでした。使用用途も限られているクルマだったわけです。

 そこで登場したパジェロは、高い走破性と、乗用車的な乗りやすさ、これを両立させて誕生されました。

初代パジェロエステート。流行ったなあ…。1982年登場の初代と、1991年登場の2代目パジェロは、なんと月間販売台数でトップに立ったこともある大ヒット車でした
初代パジェロエステート。流行ったなあ…。1982年登場の初代と、1991年登場の2代目パジェロは、なんと月間販売台数でトップに立ったこともある大ヒット車でした

 このクルマの登場によって、たくさんの方が、アウトドア、レジャー、そしてスポーツと、本当にたくさんの方に乗っていただいて、1980年代中盤から始まりました4WDブーム、RVブームを牽引してきた一台だと思っております。

 また、パジェロ発売の翌年には、世界で最も過酷といわれておりましたパリ・ダカールラリーに参戦いたしました。

 参戦1年目は市販車無改造クラス、そして、主要部品の交換が許されないマラソンクラスという、非常に厳しい、門戸が狭いカテゴリーで、クラス優勝。

 2年目は、パワーアップした市販車改造クラスでクラス優勝。

 そして3年目になりますけれども、徹底的に軽量化をされたクルマを作りました。これによって、ライバルチームと競り合いを最後まで、ゴールまで続けて、念願の総合優勝を飾ることができました。

 私自身、このパジェロとの出会いは、当時まだ22歳の頃でした。この頃、日本四輪自動車協会という団体がオフロードレースを主催しておりまして、私は三菱ジープで参加しておりました。

 その時にスカウトされて、初めてこのパジェロに乗った時の感覚というのは、今でも忘れません。

 速くて乗りやすくて、そしてジャンプが連続するような悪路も、非常にコントロールしやすくて、大変びっくりしたことを、つい昨日のように感じております。

受賞スピーチに立ったのは、日本人初のパリ・ダカールラリー総合優勝2連覇を飾った増岡浩氏
受賞スピーチに立ったのは、日本人初のパリ・ダカールラリー総合優勝2連覇を飾った増岡浩氏

 私のパリ・ダカールラリー参戦は1987年からになりますけれども、俳優・夏木陽介さんのチームから声をかけていただき参加いたしました。それからたくさんの苦労がありましたけれども、パジェロと苦楽を共にして、2002年、2003年と、連続で総合優勝をこの手で納めることができました。

 もちろん、やはり三菱チームの総合力というのもあります。エンジニアと共に、毎日厳しい環境のなか戦い続けて、たくさんのデータを取って、それを主に、お客様へ安全、安心を届けるため、クルマ作りの糧にしてまいりました。

 そのDNAは、今日の三菱アウトランダーPHEVだったり、デリカD:5だったり、トライトンだったりと、たくさんの三菱車のなかに流れております。

 我々が目指すところは、どんな路面でも、どんな天候でも負けない、安心、安全、快適に、目的地へたどり着き、自宅へ帰って来れるところであります。

 三菱自動車は、これからも、皆様に、安心で安全なクルマ作り提供してまいります。

 そして、やはり、クルマというのは、やっぱり”夢を売るもの”だと思っています。たくさんの方に、ぜひ喜んでいただける、個性あるクルマを、これからも提供してまいりたいと思います。本日は大変ありがとうございました。

(引用ここまで)

 会場写真で初代パジェロの写真を見た瞬間、「街中でめちゃくちゃ走ってたなこのパジェロ!」と懐かしく思いました。

 そしてスピーチの最後段落、これ、勝手に「次期パジェロの開発と市販化、諦めてないですからね」と受け取りました。待ってますからね!!

【画像ギャラリー】「クロカン」「RV」と言えば全部「パジェロ」だった時代の初代パジェロ画像と授賞シーン(16枚)画像ギャラリー

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