花粉に苦しめられている人も多く、街中ではマスクにゴーグルに、といった重装備な人も多く見うけられる。
密閉空間のクルマにいれば安全だろう!! と思うかもしれないが、実は近年のクルマについているエアコンフィルターには花粉を防ぎきれないケースもある。
そこで花粉症、そしてこれからの時期は黄砂やPM2.5の飛来に対抗する、カーエアコン用のフィルターを装備したい。
車検のついでに交換することが多いフィルター、この時期に交換すると効果大かもしれませんよ!!
文:国沢光宏/写真:Shutterstock.com
ベストカー2018年3月26日号
■都市部の花粉は通常よりも細かいぞ!!
寒さが終わると花粉の季節到来である! 私の場合、決定的な発症こそないものの、鈍頭痛や声変わりして鼻の吸入効率落ちてくるためハッキリわかります。
今や大半のクルマが花粉フィルター付きになったため、本来なら運転中はホッとするかと思いきや、そんなことない。広報車などに乗ったら症状が出てしまう。なぜか? 標準の花粉フィルターだと性能的に足りない。
標準の花粉フィルターが対象にしている「花粉」は、最も小さいほうに属す「杉」で20ミクロン程度。
標準の花粉フィルターだと10〜15ミクロンという「集塵性能」のため、余裕でキャッチできるハズ。したがって普通の花粉なら標準のフィルターあれば車内に入ってこない。
なのに現実として花粉は社内に入ってくる。こらもう簡単だ。花粉は新鮮だと20ミクロン程度のサイズながら、乾燥したり壊れたりすると、さらに小さくなってしまう。特に都市部の花粉は細かい。
杉から飛び散り、風に乗って飛んできた花粉はやがて乾き、コンクリートの上で転がり、壊れていく。こうなると標準の花粉フィルターだと完全にお手上げ。さらに優れた性能持つフィルターを通さなければ除去できない。
そんなことから、昨シーズンあたりから標準スペックより優れた性能持つ『PM2.5対応のフィルター』が出回り始めている。
PM2.5は文字どおり2.5ミクロンの粒子。標準のフィルターとまったく違うレベルの性能を持っていないとキャッチできないのだった。
■各社の製品データから見えること
上記のようなことを皆さん知り始めた結果、今や大半の製品が「PM2.5対応」と書いてある。おそらくPM2.5をキャッチできる性能は持っているのだろう。けれどスペックを説明している製品は少ない。
デンソーの『クリーンエアフィルター・プレミアム』であれば説明書きを見ると「2.5ミクロンの粒子を90%。
1ミクロンなら65%。0.3ミクロンを30%キャッチできる」と書いてある。ボッシュの『アエリスト』は3ミクロン以上を99%キャッチ可能。
そのほかの製品の詳細情報を探すも、あまり詳しく書かれていない。PM2.5を効率よくキャッチするには、フィルターの絶対的な「厚み」や、素材技術が必要とされる。
PIAAなど少しだけデータを挙げているが、どうやら3ミクロンの粒子なら65%程度しかキャッチできないようだ。
通常の花粉フィルターより高い性能持つが、砕けた花粉だと少し物足りないかもしれません。少なくとも2.5ミクロン程度の粒子なら90%以上キャッチしたいところ。
コストパフォーマンスの高さもあって売れている『エムリットフィルター』はどうか?
手頃な価格の製品の多くが中国製という状況のなか、日本製。フィルターの厚みも2倍くらいあり、加えて特殊な素材&構造を持つ。
エアコンを室内循環にしてPM2.5の計測器でチェックしてみたら、みるみる濃度が減っていく。今シーズンも定番的な花粉フィルターだと思う。いずれにしろ花粉の季節が始まる前に交換しておくといい。
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