■今なお希少な運転が楽しいミッドオープン TOYOTA MR-S〈永田恵一〉
マイカーの前期型86は、それほど手も加えず購入からもう4年が経ちながらも、そうお金もかからず飽きずに楽しく乗れてと、今の私にはドンピシャなクルマである。
しかし、唯一のまとまったお金になりそうな財産だけに、小心者の私はもしものクラッシュを考えると雪道練習も含みスポーツ走行に使うのはちょっと躊躇しつつある。また、昨年国沢光宏師匠が乗っていたRRのスバル製サンバーを譲ってもらったので、MRを自分のものにすれば5つの駆動方式も制覇となる。
そんな私はたまに、ミドシップの2代目MR2とMR-Sに萌えるのだが、2代目MR2は25年落ちで50万円からとちょっと高すぎる。というワケで私がたま萌えグルマに選んだのは40万円くらいで「まあいいか」という中古車が選べるMR-Sだ。
MR-Sは荷物が載らないという不便さはあるが、ソフトトップを入れたらいっぱいのS660に比べれば我慢できる。この点を除けば初代ボクスターの異国の兄弟のようなスタイルはともかくとして、危うい思いをすることなくMRに乗れるのは利点だ。
実用エンジンなので官能性には欠けるけど、軽量なのでそこそこ速いし、燃費も良好だ。パーツも汎用性のあるものが多いのでメンテナンスも容易かつお安く期待でき、安いクルマならクラッシュしてもそう痛くないと、オモチャ的に考えるなら非常に面白いクルマではないだろうか。そんなことを考えていたら、安いMR-Sにつなぎ的に乗ってもいいかなと思えてきた。
■前期型の強烈な顔がすべて MITSUBISHI ミラージュディンゴ〈清水草一〉
もうめったに見ることもなくなったディンゴ君。キミをたま〜に街で見かけると、僕はストーカーのように追いかけたくなる! そして頬ずりしたくなるんだよ! これは愛だろうか?
実は、キミが登場した時は逆だった。最初にキミの写真を見た時は、思わず「ブワーッハッハッハ!」と爆笑してしまった。この世にこれ以上カッコ悪いクルマがあるだろうか? これは何の冗談だろう、三菱は狂ったのか? とすら思いました。
当時連載していた『デザイン水かけ論』では、前澤義雄さんも「今さら作り直すのは大変だ、発売予定日に間に合わないといった理由で、たまにこういうのが出てしまうことがある」と、静かに語ってくれました。そうか、ディンゴはたまたま生まれた鬼っ子だったのか! という感じで、徹底的にディスりまくってまいりました。
その後時は流れ、ディンゴの姿も見かけなくなった数年前。ふと通りかかったディンゴを見て、私は衝撃を受けました。
「わりとフツーじゃん!」
異形デザイン全盛となった現在では、ディンゴはそんなにヘンテコじゃなかった! むしろ適度な個性派かも! うわ〜〜〜、ごめんなさいディンゴ君!
それ以来私は、ディンゴを愛してしまったのです。萌えるなんてもんじゃありません。たまに見かけると本気で追いかけたくなるのです……。
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