学生時代や20代の頃、当時憧れていたクルマは、価格が高くて、とてもじゃないが買えなかった……、というクルマ好きが多いのではないだろうか。
それから20年、30年以上経って、ようやく余裕が出てきて、昔、憧れたクルマを買いたいと思っている人もいることだろう。
そんな人のために、40代、50代、60代、70代の4つ世代に分けて、それぞれの年代の人たちが憧れたクルマをピックアップし、そのクルマが今いくらで売られているのか、徹底調査してみた。
文/伊達軍曹
写真/ベストカーWEB
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【40代】マツダ RX-7(3代目FD3S)/1991年10月~2002年8月
ひと口に40代といっても、実際の年齢は40歳から49歳までさまざま。ざっくりいってしまえば「1990年代半ば頃」が、現在40代な各位の青春ど真ん中というか「クルマ的思春期」であったはずだ。
その頃の若衆が憧れまくったクルマといえば、まずはFD3Sこと3代目のマツダ RX-7が思い浮かぶ。
FDは人気マンガなどの影響で平成生まれの若者にも一部で人気だが、1990年代前半に「パワーウェイトレシオ4.9kg/ps!」のロータリースポーツ誕生をリアルタイムで見届けた世代が受けたインパクトは、平成世代がマンガから受けた衝撃の比ではない。
3代目RX-7の新車時価格はグレードによってさまざまだが、おおむね290万~420万円ほど。カタギの若衆が簡単に買える値段ではなかった。だが今となっては、その中古車相場は140万円前後から。もちろん最終年式近くの低走行物件は400万~600万円ぐらいとなるが、100万円台の物件も全国で30台以上が流通している。
【40代】トヨタチェイサーツアラーV(5代目JZX100系)/1996年9月~2001年10月
1990年代半ばといえば、現在と違ってマツダRX-7のようなスポーツカーもガチで人気が高かったが、それと同時に多くの若衆が「スポーツセダン」に憧れた時代でもあった。
その最右翼がトヨタ マークIIおよびクレスタ、チェイサーの「マークII 3兄弟」で、3兄弟のなかでもっともスポーティなキャラクターが与えられていた最終型(5代目)チェイサーの、さらにその中でもホットグレードだった「ツアラーV」には、今40代の各位も青年時代、「いつかはツアラーV!」と胸に誓っていたかもしれない。
心臓は2.5Lの1JZ-GTE型直列6気筒DOHCターボだ。最高出力280psは変わらないが、VVT-iを採用することによって実用域で分厚いトルクを発生する。当然、高回転ではターボならではの鋭いパンチと力強い伸びを堪能できた。
5速MT車がツアラーVの販売の3分の1を占めたことからも、楽しいクルマだったことが分かる。4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションもいい仕上がりだ。意のままの気持ちいい走りを満喫できる
とはいえ最終型チェイサーツアラーVの新車価格は300万円を軽く超えていたため、基本的には「誓っただけ」で終わった人のほうが多いはず。
だが現在の中古車相場はなんと約20万円からで、ボリュームゾーンは150万円前後。40代男ならではの財力を駆使し、今日明日にでも買ってしまいたくなる相場だと言える。なかにはフルノーマル、5.4万kmで程度のいいツアラーVが285万円で売られているから恐ろしい。
【40代】トヨタスープラ(2代目A80型)/1993年5月~2002年8月
ここ最近は17年ぶりに復活した新型スープラが話題を集めており、それはそれで40代男として気になるところだが、「昔憧れたけど高くて買えなかったクルマ」といえば、1993年に発売されたA80型こと2代目のトヨタ スープラである。
まるでアメフト選手のような「ガタイは巨大なのに動きは超俊敏!」というのが80スープラの魅力で、最高出力280psの3L直6、2ウェイツインターボエンジンにも当時の青年たちは鼻血を流した。
280psグレードの新車時価格は400万円を軽く超えていたわけだが、今となっては中古車相場は……決してお手頃ではない。具体的には最安値でも230万円ほどで、最高値は700万円オーバー。ボリュームゾーンは「400万円台」である。
この高値は、新型スープラが話題となったことで先代の相場もやや上がってしまったことと、映画「ワイルド・スピード」の主人公が劇中で80スープラに乗っていたことから、そもそも世界的にずっと人気が高い……というのが理由だ。
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