【RX-7 300万円、80スープラ400万円…】あのころ憧れたクルマは今いくら?

【70代】いすゞ ベレットGT&GTR/1964年4月~1973年9月

DOHCエンジンを積んだベレットGTRは他の車種に比べると中古車価格は暴騰していない
DOHCエンジンを積んだベレットGTRは他の車種に比べると中古車価格は暴騰していない

 70代というと、お若い人からは「単なるおじいちゃん」に見えるかもしれないが、その認識は間違っている。というか、おじいちゃんは「最初からおじいちゃんだった」わけではない。

 今現在70代の人が青春時代を過ごしたのは1960年代半ば頃。70代のおじいちゃんは当時、20歳前後の若者としてビートルズの真似をしてパンタロンを履き、ミニスカブーム真っ只中の同世代女子に熱視線を送っていたのだ。

 そんな時代に青年たちの憧れだった車のひとつが、「ベレG」こといすゞベレットGT。1963年に登場したいすゞ ベレットのPR20をベースとする2ドアのスポーツクーペとして1964年4月に登場した。

 そして、その高性能版たる伝説の名車がベレットGTR(ベレットGT・TypeR)。117クーペ用に開発された1.6L、直4DOHCのG161W型エンジンをベレットGに移植。ソレックス/三国のキャブレターを2連装して、120ps/14.5kgmを誇った。

 これは先発のライバル、トヨタ1600GT(RT55)をパワーで10ps、190km/hの最高速度は15km/hも上回り、1.6Lクラスで第一級のスペックとなった。

 憧れていたベレGおよびベレットGTRを今にして買おうと思うならば、相場は150万~300万円というのがひとつの目安。

 ベレットGTRはタマ数が少なく、現在流通しているのは255万円と280万円の2台。

 ベレGおよびベレットGTRの流通量は決して多くないが、暴騰しているわけでもない。熱心な専門店がレストアしながら販売を続けている。

【70代】マツダ コスモスポーツ/1967年5月~1972年

コスモスポーツの前期型L10Aには、10A型ロータリーエンジン(491 cc ×2)が搭載され、110ps/13.3kgmを発生、車重は940<a href=kgと軽量だった。 1968年7月には早くもマイナーチェンジが行われて128ps/14.2kgmとなり、最高速は185 km/h から200 km/hに、0~400m加速も16.3秒 → 15.8秒となった" class="wp-image-122532" width="600px" height="365px"/>
コスモスポーツの前期型L10Aには、10A型ロータリーエンジン(491 cc ×2)が搭載され、110ps/13.3kgmを発生、車重は940kgと軽量だった。 1968年7月には早くもマイナーチェンジが行われて128ps/14.2kgmとなり、最高速は185 km/h から200 km/hに、0~400m加速も16.3秒 → 15.8秒となった

 これは「手が届きそうで届かない憧れ」というより「宇宙船レベルの現実離れした夢」だった。だがとにかく1967年に登場したマツダ コスモスポーツも、1960年代を「車好きな若衆」として過ごした人間にとっては永遠の憧れである。また余談ではあるが、1970年代に少年期を過ごした人間は「帰ってきたウルトラマンのマットビハイクル」としてコレに憧れた。

 余談はさておき、世界初の実用量産ロータリーエンジン搭載車であったコスモスポーツの新車時価格は150万円前後であったため、今の感覚でその数字を見ると「安いじゃん」と感じるかもしれない。

 だが1967年といえば大卒初任給が3万円ぐらいだった時代。それゆえ当時の150万円は現在の1000万円ぐらいに相当する。若者が、というか普通の人間が買える車ではなかったのだ。

 そしてマツダ コスモスポーツは今なお「普通の人間が買えるクルマ」ではない。現在の中古車相場は「1200万円以上」といったところで、著名芸能人や財界人などの愛車(の1台)となっているケースが多い。

【70代】日産 シルビア(初代)/1965年4月~1968年6月

クリスプカットと呼ばれた美しいデザインが特徴の初代シルビア。継ぎ目を極力減らしたボディパネルなど意欲作だったが、美しいルックスには不釣合いなタフな乗り心地や120万円という高価格(当時のサニーの2倍に相当)もあり、商業的には成功したとはいえなかった
クリスプカットと呼ばれた美しいデザインが特徴の初代シルビア。継ぎ目を極力減らしたボディパネルなど意欲作だったが、美しいルックスには不釣合いなタフな乗り心地や120万円という高価格(当時のサニーの2倍に相当)もあり、商業的には成功したとはいえなかった

 これまたコスモスポーツ同様に「雲の上すぎる存在」だったかもしれないが、初代日産シルビアの美しすぎるフォルムとたたずまいに悶絶した当時の若者も多かったはず。

 車台とエンジンはSP310型ダットサン フェアレディ1600をベースとしたもので、フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式。日産車として初めて「ディスクブレーキ」が採用されたクルマでもあった。

 そしてセミハンドメイドで554台のみが生産された初代シルビアは、なんと言っても「クリスプカット」と呼ばれる、継ぎ目がほとんどないボディパネルが特徴的だ。そこを含めて、なんとも美しい車である。

 とはいえ「当時の憧れを今こそ!」とばかりに初代シルビアを買うのは簡単ではない。筆者が確認した限りでは、初代日産シルビアはそもそも3台ほどしか流通しておらず、その車両価格は900万円レベル。

 現在70代の人が青年期を過ごした時代のクルマは、もはや「クラシックカーに近い」という状況になっているため、どうしたって高額になる。

 ……この世代の人が「今にして夢をかなえる」のは、なかなか難しい作業とならざるを得ないのだ。

【画像ギャラリー】40代~70代・年代別憧れた日本の名車詳細写真

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