【60代】トヨタセリカ(初代)/1970年12月~1977年8月
現在60代の方が自動車的な思春期を過ごした時代は、1970年代半ば頃であるはず。紅茶キノコがブームとなり、かの3億円事件の時効が成立したあたりだ。
そして車関係で言うと、シビアな排ガス規制はあったものの、国産スポーティカーの実力やデザイン性がどんどん上がりはじめた時期でもある。
そんななか、多くの「当時の若者」が憧れた車のひとつが初代トヨタ セリカだった。まずは「ダルマセリカ」と俗に呼ばれたノッチバッククーペとして1970年に登場し、1973年にはテールゲートを備えたリフトバック(LB)が登場。
前述の排ガス規制により性能ウンヌンについては微妙な点もあったが、この時代のセリカのデザインは、50代男の自動車観における「永遠の原点」になっている場合も多いはず。
現在の中古車相場は……「応談」ばかりで今ひとつわかりにくいのだが、どうやらダルマもLBも250万~270万円付近である場合が多いようだ。
【60代】いすゞ 117クーペ/1968年12月~1981年5月
先ほど初代セリカを「50代男の自動車観における永遠の原点」と表現したが、「いや、俺にとっての原点はセリカじゃなくてコレだね」とおっしゃる方も多いかもしれない。1968年から1981年までの長きにわたり販売された名作、いすゞ 117クーペである。
イタリアの巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロが作り上げた117クーペのコンセプトとスタイリングは2020年の視点から見ても何ら古びていないせいか、今なおディープな117クーペ愛好家は多い。
50代男にとってドンピシャな「青春グルマ」は、俗にハンドメイドと呼ばれる前期型ではなく、1973年から1976年の丸目4灯中期型だろう。
いすゞ 117クーペの中古車相場は80万~約400万円と極端に上下に幅広いが、かなり高額なのは1968年12月から3年間で2458台が生産された前期のハンドメイドモデル。現在販売されているハンドメイドモデルは全国に1台で398万円。
専門店が販売している丸目の中期(1973年3月~1977年12月)、角目の後期型(1977年12月~1981年5月)の117クーペは140万~180万円ぐらいで販売されている。
【60代】トヨタカローラレビン(TE27)/1972年3月~1974年3月
ダルマセリカの1600GTに搭載されていた強力な2T-G型DOHCエンジンを小さなカローラに移植した車、すなわちTE27こと初代トヨタカローラレビンも、「果たせなかった憧れ」である。
ベーシックなカローラのエンジンが最高出力80psであったのに対して、TE27の2T-Gは110ps。それでいてダルマセリカより車重が100kgほど軽かった初代レビンは、当時としては鬼のような速さを誇った。
そして175/70R13という(当時としては)ワイドなタイヤを収めるためのオーバーフェンダーの迫力も相まって、硬派な走りを愛する(当時の)若衆から絶大な支持を集めたのだ。
だが日本全体がまだまだ貧乏だった当時、買えない若者のほうが多かった。そして当時の憧れを今こそ現実に……と言いたいところだが、セミクラシックカーとして大人気なTE27はけっこう高く、中古車相場は320万~380万円といったところ。BMWの高年式中古車と似たようなプライスなのだ。
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