ついに全販売の過半数突破! 急成長するマツダ新世代SUVの魅力と課題とは?

マツダの最新SUV、CX-30はCX-3やCX-5とどう違う?

■ボディサイズ:全長4395×全幅1795×全高1540mm
■価格:239万2500~353万1000円

CX-30は2019年9月20日に発売。新開発の圧縮着火方式によるSKYACTIV-X搭載車を発売したのは2020年1月10日
CX-30は2019年9月20日に発売。新開発の圧縮着火方式によるSKYACTIV-X搭載車を発売したのは2020年1月10日

 CX-30は外観に特徴がある。前後のフェンダーとドアパネルに波打つようなラインが入り、周囲の風景がダイナミックに映り込む。ドイツ車のシンプルな表現とは対称的で、好みは分かれるが斬新だ。

 全高はCX-3と同じく立体駐車場を利用しやすい寸法で、全長も4400mm以下だから、街中での使い勝手が良い。

 その一方でホイールベース(前輪と後輪の間隔)は、CX-3よりも85mm長い2655mmだから、後席の足元空間を広げた。

 広々とした印象はないが、ファミリーカーにも適する。同じプラットフォームを使うマツダ3と比べても、居住性はCX-3が若干快適だ。

 走りについては、操舵に対する反応が素直で、峠道では車両の向きを変えやすい。

 背の高いSUVだから、ボディの傾き方は大きめだが、CX-30ではその挙動変化が穏やかに進む。

 そのために低重心でボディの傾き方が小さなマツダ3などに比べると、同じ速度でカーブを曲がっても、CX-30は運転している実感が強い。

 CX-30はボディやサスペンションの造り込みを上手に行い、SUVの適度な重心高を運転の楽しさに結び付けた。

 コロナ禍の影響を受ける2020年3月の登録乗用車通称名別ランキングでは21位のC-HR(5172台)を初めて抜き、CX-30が18位(5647台)で、マツダのトップセラーモデルに浮上した。

 CX-30は、新開発の圧縮着火方式によるSKYACTIV-Xを搭載しているのがウリのひとつとなっているが、価格の高さがネックとなっている。

 2WD車の価格で比較すると2Lガソリンの20Sプロアクティブが261万2500円、1.8ディーゼルのXDプロアクティブが288万7500円に対してXプロアクティブが329万4500円だから、20Sに対しては68万2000円、ディーゼルに対して40万7000円も高い。

 パワーユニット別の販売構成比を見ると、1.8Lディーゼルターボと2Lガソリンが45%ずつ、残りの10%がSKYACTIV-X。このSKYACTIV-Xを今後いかに売っていくのかがCX-30の課題である。

SKYACTIV-Xは通常のガソリンエンジンのような火花点火(SI)ではなく、ディーゼルエンジンのように圧縮着火(CI)する。「M Hybrid」と呼ばれる24Vのマイルドハイブリッドシステムが組み合わされる
SKYACTIV-Xは通常のガソリンエンジンのような火花点火(SI)ではなく、ディーゼルエンジンのように圧縮着火(CI)する。「M Hybrid」と呼ばれる24Vのマイルドハイブリッドシステムが組み合わされる

明らかに割安なCX-5

■ボディサイズ:全長4545×全幅1840×全高1690mm
■価格:261万8000~365万7500円

2017年にモデルチェンジして販売された現行モデルのCX-5。SUVは以前にも増して車種も増え、激戦区となっており、他社との違いや優位性を打ち出すのは至難の業だ
2017年にモデルチェンジして販売された現行モデルのCX-5。SUVは以前にも増して車種も増え、激戦区となっており、他社との違いや優位性を打ち出すのは至難の業だ

 CX-5は全長が4545mm、全幅も1840mmとワイドでホイールベースは2700mmだから、後席はCX-3やCX-30に比べて格段に広い。4名で乗車して長距離を快適に移動できる。荷室容量も大きい。

 車両重量は1500~1700kgで、全高は1690mmだから重心も高いが、カーブを曲がる時に動きの鈍さは感じない。4WDの制御は綿密で雪道も走りやすい。

 そしてCX-5とCX-30の価格差は、2WD・20S同士で比べると約22万円に収まる。後席の居住性と荷室容量の向上を考えると、機能と価格のバランスではCX-5が明らかに割安だ。

荷室容量はCX-3が350L、CX-30が430L、CX-5が505Lで実際にもCX-3は横方向も奥行きも天地方向も小さめ。逆にCX-5はすべてが広い(画像ギャラリー参照)
荷室容量はCX-3が350L、CX-30が430L、CX-5が505Lで実際にもCX-3は横方向も奥行きも天地方向も小さめ。逆にCX-5はすべてが広い(画像ギャラリー参照)

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