暴れん坊。字面からして厄介なオーラを放ちまくっているものの、「この人いないと物事動かない局面もあるよな〜…」なんて部分があるのも事実。クルマも然り。
どう考えても採算取れないでしょ? とか、どうしてこんなにステータス極振りしましたか? などと正座させて三時間ほど問い詰めたくなるような暴れん坊なグルマたちが時々でてきては(大体の予想通りに)消えてゆく。だが、不思議とそんなクルマに限って記憶に残り、愛されてきたのもまた事実なのだ。
空気は読まない! 品行方正とはまったく無縁!! でもそこがいい(あくまでクルマのハナシ)!!! 「攻めダルマ」と化し時代を突っ走った愛すべき暴れん坊たちを特集する!
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※本稿は2020年5月のものです/文・写真:ベストカー編集部、述懐:鈴木直也・渡辺陽一郎/初出:『ベストカー』 2020年6月10日号
■エンジンが暴れん坊
暴れん坊グルマの華といえばエンジン。鈴木直也氏の記憶に残っている暴れん坊エンジン車がここに挙げた3台だ。
「初の国産ターボ、430セドリック/グロリアは凄かった。典型的なドッカンターボで完全にシャシーがエンジンに負けていて操縦性もハチャメチャ(笑)。ターボ初体験だったから、本当にスゲーと思ったよ。
また、初めてVTECエンジンを搭載したインテグラも凄かったね。レーシングエンジンがそのまま市販車に載ったようだった。
アンバランス系ではコスモの3ローターの暴れん坊っぷりは今も語り草。あんなクルマ二度と出ないだろうね」
■ハンドリングが暴れん坊
ハンドリングの暴れん坊も鈴木直也氏の述懐。
「アンダーステアなクルマばかりだった1970年代後半に登場した初代RX-7、特に最初期型はそれまで市販車では経験したことがないテールハッピーの暴れん坊だった。
タイヤのグリップも低かったから首都高をちょっと攻めただけでカウンター当てまくりになったりして。
でも、そのずっとあと、1992年に出たAZ-1はもっと凄かったかも。交差点を普通に曲がるだけでオーバーステアになっちゃうんだから(笑)。
FFではまだシャシーの性能が低かった頃にターボパワーでジャジャ馬だった初代スターレットターボを思い出すね。なかなか無茶なクルマだったよ(笑)」
■価格が暴れん坊
価格の暴れん坊は渡辺陽一郎氏に記憶を辿ってもらおう。
「まず現行のGT-R。777万円で登場した時にはあまりの安さに驚きました。あれから13年経って、今は一番安くても1000万円オーバーですけどね。
初代エスティマは高くて驚いたクルマ。約300万円で当時のクラウン2.5Lくらいだったんです。
その後100万円ほど安い5ナンバーサイズのルシーダ/エミーナを出して大ヒット。あの価格戦略は暴れん坊だったと思いますよ。
マニアックなところでは先代エスクード後期型。2.4L、フルタイム4WDで約200万円。ライバルのエクストレイルの2L、FFと同じくらいでスズキの凄さを感じました」
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