ビッグセダン CT6の魅力とは?
日本市場にセダンとして唯一導入されているビッグサイズサルーンであるCT6(Cadillac Touring 6の略称)について触れておくと、新世代プラットフォームとして後輪駆動仕様の“オメガ・アーキテクチャー”を採用した4WD仕様モデル(旧世代のXTSは前輪駆動プラットフォームを採用)となる。
ちなみに、これまでキャデラックではミドルクラスではセヴィル→STS、デゥビル→DTS→XTSとつながり、現在のCT6にたどり着いたことを見れば、伝統的なアメリカンセダンの名残を感じさせる。
21世紀での第2世代への移行を意味するアルファベットと数字の組み合わせた初めてのモデルであるCT6は、2015年に米本国で発表、2016年に発売され、日本市場でも2016年5月に導入された。
全長は5180mm、ホイールベースが3110mmの大柄なボディにはアルミニウムを約6割使用するなど、100kgの従来モデルから軽量化が施された。
過去を見れば1990年代のセヴィルやドゥビルは、ドイツ勢にはない作りでアメリカンな鷹揚さを讃えていた。
いっぽう、2000年代から続いてきたシャープなデザインとハンドリングを備えたATS/CTSといったモデルは、欧州プレミアムブランドを意識して開発されて魅力的に仕上がったことを考えれば、新世代のCT5とCT4によって反転攻勢を仕掛けようとしているようだ。
販売の軸はやはりSUV系
改めて振り返ると、米国市場では2008年9月のリーマンショックの影響などを受け、GMが2009年6月に経営破綻したことをきっかけとして、2010年代にはキャデラックも従来のコンセプトの方向性を変化させて、SUVの商品開発に力を入れることで復活を遂げようとしてきた。
具体的には2010年代後半から、欧州生まれのライバルたちが世界的なブームに乗ってSUVカテゴリーのラインナップの拡充を図るなかで、北米市場を含めたキャデラックのラインアップもSUV中心に構成されるようになった。
メルセデスベンツやBMW、レクサスと比べて、いわゆる流行のスタイリング重視といえるSUVの数は控えめでも、北米市場では際だったブランドイメージが成立していることがキャデラックの強みといえる。
日本市場でもエスカレードへの高い注目度合いが一段落した後も、輸入車における生粋の高級ブランドとしてのキャデラックが、現在どのような車種で構成しているのか確認してみよう。
前述のように、アルファベットと数字で組み合わせたネーミングで区別されるモデルへの移行が進み、ビッグセダンのCT6に続き、前述のように新世代SUVとしてXT5、XT6が投入。
そして頂点のエスカレードでラインナップを構成され、輸入車マーケットでは販売台数の上ではニッチ的な立場にある。
日本における2019年度のブランドとしての販売台数は512台。輸入車市場でのシェアとしては0.15%と小規模といえ(2018年度:569台、シェア:0.16%)、トップセリングモデルはSUVのXT5となっている。
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