スバルレガシィが生み出した「ツーリングワゴンブーム」という熱狂


 今をさかのぼること28年前、1989年1月、スバルが再起をかけて開発した新世代モデル「レガシィ」には、セダンと共に「ツーリングワゴン」が設定されていました。

 なかでもスポーツセダン並みの走行性能を持つ最上級グレード「GT」の存在は、レジャーや日常の使い勝手の良さに加え、走りも楽しめるという新たな価値が与えられ、それまでの「ワゴン」が持っていたイメージ、概念を大きく変化させ、そのブームは「スポーツワゴン」という新たな魅力と潮流を生み出しました。

 本企画では1990年代に大きく花開き、国産全メーカーを巻き込む「時代」を作ったレガシィについて語ってみます。

文:大音安弘 写真:SUBARU


■初代から脈々と息づく「走りのワゴン」というコンセプト

初代レガシィツーリングワゴン

 日本自動車界ではまだバブル真っ只中だった1989年、スバル(当時は富士重工)が社運を賭けて開発した新世代モデルのレガシィは、セダンとツーリングワゴンの2本立てであった。

 これまでのスバルのイメージを覆すモダンな内外装に加え、スバル伝統の走りの良さを磨き上げていた画期的なモデルだった。

 特に従来は実用一辺倒だったツーリングワゴンの概念打ち破ったレガシィツーリングワゴンは大ヒット。のちのツーリングワゴンブームへと繋がることになる。

 レガシィが特徴的だったのは、発売間もなくして、より快適装備を満載した最上級グレードのターボモデルの「GT」をセダンとツーリングワゴンに共に追加したこと。

 これがスポーツワゴンとしてレガシィの独自のポジションを確立。その人気ぶりは、のちにSTIチューニングによるコンプリートカー「レガシィツーリングワゴンSTi」が発売されたことからも伺える。

■続々と表れたフォロワー、ライバルたち

2代目レガシィツーリングワゴン

 レガシィツーリングワゴンのヒットに刺激され、各社からは、スタイリッシュでスポーティなツーリングワゴンを続々と投入した。

 トヨタのカルディナと三菱のリベロが新開発車としてデビュー。ホンダは、北米より逆輸入でアコードワゴンを導入。

 日産はフルモデルチェンジしたプリメーラにツーリングワゴンを新設定するなど、レガシィが築き上げた「ツーリングワゴン市場」に続々と参入、追従を見せた。

 さらに1993年にレガシィが2代目へと進化すると、より他社のバリエーションは拡大され、日産からは「スカイラインワゴン」と噂されたスポーティなツーリングワゴンのステージアが、三菱からは当時同社の中心車種だったギャランのツーリングワゴンに当たるレグナムが投入され、ツーリングワゴンは日本車のメインストリームのひとつとなった。

次ページは : ■スポーツモデルもお約束だった

最新号

ベストカー最新号

【新型86/BRZ 世界初公開】5ドアジムニー最新情報入手!!|ベストカー5月10日号

ベストカー5月10日号、本日発売!! 4月5日に全世界公開されたばかりの新型トヨタ86/スバルBRZの情報をベストカー本誌の独自視点で分析します!5ドアジムニー最新情報も登場。

カタログ