GRヤリスに込められた想い 「スポーツ4WDを復活させるぞ」社長の執念が結実

GRヤリスに込められた想い 「スポーツ4WDを復活させるぞ」社長の執念が結実

 2020年9月4日、トヨタのGRヤリスが発売された。GRヤリスは、TOYOTA GAZOO Racing WRT(World Rally Team)に学んだ「WRCで競争力あるクルマ作り」や開発初期からの社外プロドライバーによる評価によって、世界のあらゆる道でも思い通りに操れ「誰もが安心して意のままに運転できる」クルマとして誕生。

 マスタードライバーのモリゾウこと豊田章男社長の「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」という想いのもと、「モータースポーツ用の車両を市販化する」、という逆転の発想で開発したトヨタ初となるモデルだ。

 さて、そのGRヤリスが発売されたことに合わせて、東京・お台場にあるMEGAWEB内、トヨタシティショウケースでもGRヤリスの展示が行われたのでさっそく取材してきた。


文/ベストカーweb編集部
写真/平野学

【画像ギャラリー】一堂に会したGRヤリス8台を写真でチェック!


会場には8台のGRヤリスを展示

東京・お台場MEGAWEB東京シティーショウケース内に展示されているGRヤリス
東京・お台場MEGAWEB東京シティーショウケース内に展示されているGRヤリス
GR-FOURのシャシーも展示されていた
GR-FOURのシャシーも展示されていた

 2020年9月4日、GRヤリスが発売されたことに合わせ、東京・お台場にあるMEGAWEB内のトヨタシティショウケースでもGRヤリスの展示が開始された。

 当日、会場に用意されていたのは以下の全グレード8台のほか、GR-FOURを搭載するシャシーやGRヤリスWRカー(レプリカ)など、GRヤリスの世界にどっぷり浸れる、トヨタの力のいれようがわかる展示内容となっていた。

 今回の展示は、9月5日から一般公開され、9月16日に一部入れ替えが行われた後、9月末まで展示される。全グレードが一気に見ることができることはめったにできないのでぜひ訪れることをお薦めしたい。

 ちなみにMEGAWEBトヨタシティショウケースは入場無料。営業時間は11時~19時。全館休館日は9月8日、10月13日、11月9日、11月10日となっている。

GRヤリスは4グレードをラインナップ

GRヤリスRZ HighPerformance。ルーフに新工法のカーボンを、エンジンフードや左右ドア、バックドアにはアルミを採用。さらに前後バンパーは薄肉にする新技術により大幅な軽量化を実現している。写真のRZ HighPerformanceの車重は1280kg
GRヤリスRZ HighPerformance。ルーフに新工法のカーボンを、エンジンフードや左右ドア、バックドアにはアルミを採用。さらに前後バンパーは薄肉にする新技術により大幅な軽量化を実現している。写真のRZ HighPerformanceの車重は1280kg
GRヤリスRZ HighPerformance
GRヤリスRZ HighPerformance
スパルタンかつ質感の高い内装。ステアリングはダークグレー塗装、GRエンブレム付きの本革巻き3本スポークステアリング。トランスミッションは6速MT。ショートストロークで剛性感のあるシフトフィールを実現
スパルタンかつ質感の高い内装。ステアリングはダークグレー塗装、GRエンブレム付きの本革巻き3本スポークステアリング。トランスミッションは6速MT。ショートストロークで剛性感のあるシフトフィールを実現
ホールド性能を徹底的に追及してサイドサポートの形状および硬度を最適化するなど、コーナリングでの強い横Gに対しても身体をしっかりサポート。合成皮革とスウェード表皮のコンビネーションやステッチによって上質なプレミアム感を演出
ホールド性能を徹底的に追及してサイドサポートの形状および硬度を最適化するなど、コーナリングでの強い横Gに対しても身体をしっかりサポート。合成皮革とスウェード表皮のコンビネーションやステッチによって上質なプレミアム感を演出
272ps/37.7kgmを発生する1.6L、直3ターボ。理想とするエンジン回転フィールを追求するため、ピストン、コンロッドを計測し、同党の質量のものを組み合わせることで、高回転まで一気に吹け上がる気持ちのよさを追求。匠と呼ばれる選り抜きの熟練工が一点一点組み上げている
272ps/37.7kgmを発生する1.6L、直3ターボ。理想とするエンジン回転フィールを追求するため、ピストン、コンロッドを計測し、同党の質量のものを組み合わせることで、高回転まで一気に吹け上がる気持ちのよさを追求。匠と呼ばれる選り抜きの熟練工が一点一点組み上げている

 さて、9月4日に発表されたGRヤリスは「空力、軽量、高剛性」を追求したパッケージになっており、ベースモデルである「RZ」と競技ベース車の「RC」には新開発の直列3気筒 1.6L、直4インタークーラーターボエンジンと、新開発スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”を搭載している。トランスミッションは6速MT(iMT)を組み合わせている。

モータースポーツ用競技車両のRC。価格は330万円
モータースポーツ用競技車両のRC。価格は330万円

 会場に展示してあるRCは、モータースポーツ参戦ベース車だけあって、205/45R17インチタイヤと他のグレードより1インチ小さく、ブレーキは16インチタイヤにも対応できるように16インチのベンチレーテッドブレーキが奢られている。

 インテリアは実にスパルタン。ナビはもちろんエアコンもなく、まさに素の状態だ。これで価格は330万円。

 RZには、標準仕様のRZのほか、“High Performance”という上位グレードが用意されていて、冷却スプレー機能付き空冷インタークーラーと、前後のデフにトルセンLSDが標準装備されている。

 また、アルミホイールもBBS製鍛造アルミホイールとなり、タイヤはミシュラン製のパイロットスポーツ 4Sが組み合わされている。

 会場にはRZの標準仕様をはじめ、RZ High Performanceの1stエディション(完売済み)、2台のRZ High Performance、RZ High Performance GRパーツ装着車、RZ High Performance競技者向けGRパーツ装着車(参考出品)と6台ものRZが展示されていた。

 驚かされたのは用意されているオプションパーツが豊富なこと。バンパーやサイドスカートなどのエアロパーツはもちろん、安全性を考慮したロールバー(ちゃんと4人乗れる)、機械式LSD、ストラットタワーバー、強化クラッチなどが用意されていた。豪華なカタログを含め、トヨタのGRヤリスに対する情熱が感じられた。


■GRヤリス ラインアップと価格
●RS:1.5L、直3/CVT/FF 265万円
●RC:1.6L、直3ターボ/6速MT/4WD(GR-FOUR) 330万円
●RZ:1.6L、直3ターボ/6速MT/4WD(GR-FOUR) 396万円
●RZ High Performance:1.6L、直3ターボ/6速MT/4WD(GR-FOUR) 456万円

RZ High Performance
RZ High Performance
RZ High Performance
RZ High Performance GRパーツ装着車
RZ High Performance GRパーツ装着車
RZ High Performance GRパーツ装着車
RZ High Performance GRパーツ装着車

次ページは : モータースポーツ初心者には1.5LのFF、CVTのRSも用意

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